標茶町教委 子の体力向上へ研修 組織的な取組の充実へ 体育エキスパート教員に学ぶ(市町村 2022-12-20付)
4年生を指導する体育エキスパート教員の鈴木教諭
【釧路発】標茶町教委は12日、標茶小学校で第2回標茶町教員資質向上研修会兼体育エキスパート教員巡回指導事業「地域研修」を釧路教育局との共催で開催した。管内の小・中・義務教育学校から34人が参加。公開授業や研究協議を通して実践的指導力の向上を図るとともに、体育エキスパート教員等の実践発表を踏まえ、自校の体力向上に向けた組織的・具体的な取組の明確化に向け研鑚を積んだ。
道教委は本年度、複数市町村の小学校を巡回する体育エキスパート教員を前年度の5校から4校増の9校に配置を拡充。釧路管内では標茶小に新たに配置した。
町教委は例年、教員の資質向上を目的とした研修会を年2回実施しており、今回は釧路教育局との共催によるエキスパート教員巡回指導事業を行った。
巡回指導事業は「体育エキスパート教員」が支援を必要とする複数市町村の小学校を巡回し、体育授業および授業以外の取組について支援や指導助言等を行うことで、小学校教員の体育の指導力向上や体力向上の取組の充実を図ることを目的としている。
はじめに、釧路局の鈴木将太指導主事が本道・管内の児童生徒の体力・運動能力における現状と課題および課題解決に向けた取組について説明。体力低下の要因として、運動時間の減少や肥満の増加などについて解説した上で、体力向上に向けた3つのキーワード(分析的・計画的・組織的)を提示。体力向上プランや体力向上ロードマップで取組を視覚化することを示唆した。
引き続き、体育エキスパート教員の鈴木京典教諭(標茶小)による公開授業が4年1組で行われた。単元名「多様な動きをつくる運動」(A体つくり運動)。4時間扱いの3時間目。本時の目標を「基本的な動きを組み合わせる運動の行い方について、考えたことや見つけたことを友達に伝えることができる」とした。
導入のスタミナアップタイム(準備運動)のあと、本時の課題「グループのみんなが楽しめるように工夫しよう」を確認。長縄をしながらのボールパスや、バランスボールを使っての競走や短縄跳び、手押し車など、グループで様々な運動を選択。スタートとゴールの決定や障害物を設置、時間を決めるなどのルールも工夫。アドバイスし合いながら、みんなが楽しめるように工夫するという本時の課題に向け意欲的に活動した。
まとめでは、こつや工夫したルールなどについて付箋に記入。考えや発見したことを共有した。バランスボールを使った短縄跳びでは「ボールの弾みと同じタイミングで跳ぶ」「相手を見ながら飛ぶ」など、一人では気付けないポイントが発表された。
公開授業後に「体力向上に向けた組織的な取組の好事例について」の実践発表が行われた。発表者は、小学校体育専科教員の釧路町立富原小学校の小島収土教諭と中学校体力向上推進教員の釧路市立阿寒湖義務教育学校の築田竜弥教諭。自校で組織的に取り組んでいる実践を中心に紹介した。
このあと、公開授業や実践発表に関する協議を行い、体力向上に向けた組織的で具体的な取組について活発に意見を交換した。
(市町村 2022-12-20付)
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