帯広市第１回総合教育会議　学校給食の魅力化へ　今後は生産者の見える化など

（市町村 2023-01-19付）

　【帯広発】４年度第１回帯広市総合教育会議が昨年１２月下旬、市役所で開かれた。米沢則寿市長、広瀬容孝教育長、市教育委員４人が出席。「学校給食の役割と取組」をテーマに意見を交わし、学校給食や食育の在り方など、今後を見据え議論を深めた。

　開会に当たり、米沢市長は学校給食に関して「ひと手間かけることで、大切にされている実感が子どもたちに湧く」とし「今後も給食に関わる人たちのことを子どもたちに伝え、地域の誇りや愛着を育みたい」と述べた。

　広瀬教育長は、栄養環境の整備だけではなく心身の成長に欠かせない学校給食の役割に触れ「食べることの楽しさや幸せが感じられるよう、今後も魅力発信に努める」とした。

　続いて「学校給食の役割と取組」をテーマに参加者間で意見交換した。

　委員の一人は、様々な家庭事情の子どもがいる中で、学校給食は義務教育の根幹の一つになることを強調。食生活の習慣付けや、多様な味付けを知ることで食事をつくる上でも将来の参考になるなど、学校給食の意義深さを説いた。

　米沢市長は、栄養バランスや貧困問題など、給食に関わる課題は時代を経ても大きく変わらないことに触れ「生産過程と食卓のつながりが見える給食に」と給食の在り方を見据えた。

　また、様々な食材が帯広市に集まることから「十勝における帯広の位置が伝わりやすい」「季節感などが食べることで自然と身に付く」など、給食を“生きた教材”とする食育の在り方を提案する委員も。米沢市長は「四季と旬の食べ物の結び付き」「地域の伝統文化を織り交ぜる」など追加提案をしながら、「子どもは食と共に様々なことを学んでいく。食の持つ可能性を感じる」と話した。

　広瀬教育長は市内児童生徒との交流場面で、学校給食が苦手な食材の克服や学級内の交流につながっていることを聞き「給食は子どもの心・気持ちを豊かにしていると感じた」と述べた。

　米沢市長は今後も学校給食の魅力化とともに生産者の見える化に取り組む意向を示し「大人になっても記憶に残る給食を目指したい」と力を込めた。

(市町村 2023-01-19付)