札幌市立高特事務職員会研究大会研究発表概要① 法令学び適切な業務を 札幌北翔支援・温泉永一氏(札幌市 2023-01-25付)
札幌市立高校・特別支援学校事務職員会(真田裕之会長)は、第48回研究大会を書面開催した(10日付8面既報)。「教育の改革と発展をめざして~学校経営事務の充実」をテーマに、3つの研究発表を収めた研究集録を発行。ここでは、各研究の概要を連載で紹介する。
研究発表Ⅰ
▼研究テーマ=法令順守について
▼発表者=市立札幌北翔支援学校事務長・温泉永一
【はじめに】
日々の業務について私たちは、どれだけ法令順守を意識して業務に取り組んでいるだろうか。
事務手引等に従い、機械的に日々の業務を行っている訳ではないが、忙しくなればなるほど法令順守を意識しなくなっているかも知れない。
そもそも、私たち公務員は憲法第99条で日本国憲法を尊重し擁護する義務を負っている。最高法規である憲法はもちろんのこと、民法・刑法・労働基準法などの法律、札幌市条例・規則等に従い、業務を行っている。
法律や条例を全て知っている方はいないが、知っていることを前提に罰則を受けることになるため、日常的に法令等を学習することは適正な業務を行い、さらには自分の身を守ることにもなる。業務も緊張感を持って行い、法令違反にならない職場環境を構築したい。
悪意のある行為ではなく、気付かずに法に反する行為をしていないか、条例違反をしていないかについても考えた。特に日常業務に関連のある事例を挙げながら考察する。
【問題点と対策】
▼自家用車の公用使用について
私たちは「札幌市立学校職員の自家用車の公用使用に関する要綱」に基づき、公務のために自家用車を使用しているが、運転免許証の所持、運転歴、事故歴、任意保険等の条件をもとに登録および使用を許可されている。
また、公用使用承認の制限もあり、体調、走行距離、運転時間等の条件もある。特に、アルコール反応による検知は社会的にも重要な制限の要件になる。私たちはこの登録要件、使用制限を順守して自家用車を公用使用する。
しかし、実態はどうか。運転免許証や任意保険が更新された時に、速やかに新たな免許証や任意保険証券の届け出をしているだろうか。もちろん、上記の更新状況が確認できない場合は公用使用を認めない措置になるが、緊急性のある場合等は困る。
対策として、事前に期日の近づいた方へ必要な書類などを提出するよう働きかけや、本人の意識向上のために継続的にアナウンスするなどの環境づくりも必要だ。
また、要綱に関して無知なために無理な旅行計画をする場合がある。走行距離は250㌔㍍が上限なので、日帰りで行ける距離は片道125㌔㍍である。必ず事前に距離をチェックしなければ計画が無になる。
一般的に交通事故はなくならないし、悪質なものも多くある。特に飲酒による運転は重大な事故につながるため、絶対にあってはならない。
しかし、業務中に飲酒運転を起こした重大な事故の後に道路交通法施行規則の一部が改正された。
令和4年4月1日より安全運転管理者による「酒気帯びの有無の確認及び記録の保存」が義務付けられた。また、4年10月1日より「アルコール検知器の使用」も義務付けられた。
札幌市立学校職員はすでに要綱によりアルコール検査を行ってきたが、省略要件は多い。
また、学校では公用登録している車の台数が5台以上ある学校が多くあるため、安全運転管理者を選任しなければならない事業所に該当すると考えられる。
これからは、学校でも安全運転管理者を選任し届け出をする必要性があると思われる。該当者は校長になると思われるがどうなるか。
市教委より今後指示があると予想している。
(札幌市 2023-01-25付)
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