札幌市　ヤングケアラー研修会　必要な支援つなぐため　面談想定しロールプレイ

（札幌市 2023-02-27付）

　札幌市子ども未来局は２２日、日常的に家族の介護や世話をする１８歳未満の子ども「ヤングケアラー」の支援強化に向けて、教育や福祉などの関係者を対象にした研修会をかでる２・７で開いた。２９人が参加し、ヤングケアラーがいる家庭との面談場面を想定したロールプレイを実施。実践的な研修を通じて、必要な支援へのつなぎ方を学んだ。

　研修は、１月に策定した支援ガイドラインに基づき、教育や福祉、医療関係者らヤングケアラーと接する可能性のある担当者の連携を深めようと初めて企画したもの。

　先月行った基礎編研修に続いて、この日は実践編として実施した。市内でヤングケアラーの支援などに携わるコンサルタントの相内雄介さんが講師を務めた。

　参加者は４～６人のグループに分かれて、家事全般を担う中学生の息子がいる乳がん治療中の母親と、中学生の担任教諭、保健師が面談する設定でロールプレイを行った＝写真＝。それぞれの役割を演じて、対応の仕方を学んだ。

　教諭役や保健師役は、母親役に「体調はどうですか」「息子さんの家庭での様子はどうですか」などと語りかけながら困り事を丁寧に聞きとり、行政の福祉サービスを紹介した。

　参加した障がい者施設で相談支援員を務める女性は「役割分担や情報共有など、面談前のしっかりとした事前準備が必要だとあらためて感じた」と話した。

　相内さんは、時間をかけて支援対象者と関係性を築くことが重要とした上で「個人での支援には限界がある。関係者同士のつながりによるチームプレイを大切に」と呼びかけた。

　実践編の研修は、同様の内容を４日間実施し、計約１１０人が参加する。

(札幌市 2023-02-27付)