中学生渾身の力作収録　札幌市中文連　にれ６８号

（札幌市 2023-02-24付）

　札幌市中学校文化連盟（小林直人会長）は、作品集「にれ」第６８号を発行した。最高賞のにれ賞を受賞した向陵中学校の平田優花さん（２年）、奨励賞を受賞した光陽中学校の石田絵奈さん（３年）、柏中学校の市川美空さん（３年）らの作品を収録している。

　市内中学生の文学作品を集めた「にれ」は、昭和３０年から発行。作品は、創作、思索、鑑賞批評などの部門ごとに選考。各部門の中から最高賞のにれ賞、奨励賞を選出している。

　にれ賞に選ばれた平田さんの作品は思索部門。「ふつう」という言葉に疑問を持ち、生活上の体験や違和感をもとに言葉の意味を考えた作品「“ふつう”とは」について、選考委員は「“ふつう”とは何かという問いに対し、自分の体験をもとに分析、考察することができていた」と評価した。

　奨励賞に選ばれた石田さんの作品は、授業の窓部門の「Ｔｈｕｍｂｓ　ｕｐ～“握手”の別の物語」。選考委員は「登場人物の言動の意味や心情など、作品世界を理解している。全体に丁寧な描写で、原作と調和した秀逸な作品」と評価。

　創作部門「陽水と水」を書いた市川さんの作品は、劣等感という感情をリアルに描いた作品。選考委員は「中学生が感じている藤や怒りが上手に描かれており、心情の波をうまく表しているなと感心した」と評価している。

　選考委員は「本年度も素晴らしい作品が寄せられた。“にれ”が読者にとってかけがいのない作品との出合いの場になると大変うれしい」と話している。

(札幌市 2023-02-24付)