札幌市立高特事務職員会研究大会研究発表概要⑮ 札幌みなみの杜高支・羽山氏ら6氏 相互支援で業務量軽減
(札幌市 2023-03-02付)

研究発表Ⅲ

▼研究テーマ=事務職員の業務量軽減をめざして~相互支援の課題と可能性

▼発表者=市立札幌みなみの杜高等支援学校事務長・羽山慶一、市立札幌大通高校事務長・武田考介、市立札幌豊明高等支援学校・小栗有貴、市立札幌開成中等教育学校・清水美優、市立札幌啓北商業高校・船山悠貴、市立札幌豊成支援学校・秋山岬

【はじめに】

 2年9月、市立高校、特別支援学校、中等教育学校の事務室業務において、過度な多忙による様々なリスクを軽減し、安定的な事務処理を行うことを目的として「高校・特別支援学校および中等教育学校における相互支援要綱」が策定された。長年求めている豊明高等支援およびみなみの杜高等支援の事務職員の増員がかなわないことがあり、現状を少しでも改善する一つの方法として事務長会が制度化した。導入前の業務量調査では、平均で1・57人の人員不足との結果が出ており、学校業務員や校務助手が配置されているものの、膨大な業務量が事務職員にとって大きな負担となっていることは、高校・特別支援学校はもちろん、札幌市教委も把握しているところ。研究テーマに「相互支援」を取り上げたのは、相互支援を行う中で見えてきた課題を解決すべく、グループメンバーを中心に多くの相互支援を積み重ね、そこで得た知見と課題を共有し、効果的な活用方法を探ることで「相互支援の可能性」について提言することを目的としている。

【相互支援の発足】

 豊明高等支援、みなみの杜高等支援においては、業務量が膨大で多忙なことから、以前から業務量に見合った事務職員の増員を要求してきた。しかし実現されていない状況が続き、実現が大変難しい状況であることから、元年度に特別支援学校内での定数の異動や、他校の事務職員へ財務会計システム等のアクセス権付与など、増員以外での多忙化対策の可能性が検討された。

 しかし、特別支援学校内での定数異動については、検討の余地はあるものの単純に定数削減につながり、全体として事務職員の負担増となってしまうリスクもあり慎重に進めなければならなく、また、他校の事務職員ヘ財務会計システム等のアクセス権付与は兼務発令なしでは付与が難しいなど、実現に向けて様々な問題を解決しなければならない。

 実現可能な方法として、高校・特別支援学校の事務職員間で業務支援を行う「相互支援」が検討された。支援を希望する学校が要請を出し、支援可能な学校の事務職員が支援を行う。服務については学校長の職務命令による公務になり、内容によって支援校において支援を行う場合と出張して支援を行う場合がある。

 運用方法として、命令は市教委からの通知で行うか、財務会計等のアクセス権の付与は可能か、支援の内容が限られる、あくまで限定的な措置であるなど、詰めなければならないことは山積みだったが、当時の窮状を強く訴える声に応える形で試行的に行うことを検討した。

 2年秋には「高校、特別支援学校および中等教育学校における相互支援要綱・要領」を整備し、10月から実際の支援を行った。初年度は計3回、年末調整、徴収金、旅費、市経理、備品管理の業務支援が実施された。

 結果として、企画から実施まで迅速に行われ、両校が求める支援を行うことで業務軽減となったこと、組織として助け合うことができたこと、スケジュール調査を行うことで無理のない範囲での支援が可能であったこと、引き続き行うことでさらに業務負担の軽減につながることなど、概ね良いとの結果を得ることができた。

(札幌市 2023-03-02付)

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