釧路湖陵高　京都西京高と交流　両校の絆深まる第一歩　流氷の研究発表に耳傾け

（学校 2023-03-27付）

　【釧路発】釧路湖陵高校（塙浩伸校長）の１年生２４０人は８日、同校体育館で京都市立西京高校１年生６１人と交流した。両校の交流は今回が初めて。西京高の生徒による流氷をテーマとした探究学習の成果報告会等を行った。塙校長は、見学旅行時の交流を予定していることから、今回の交流会について「両校の交流の第一歩となれば」と期待を寄せた。

　交流会は今回が初めての取組。地理的、歴史的背景等の異なる高校生が互いの文化や教育活動に関して交流活動を行うことで、互いの価値を理解し、今後の探究活動を中心とした高校生活における学習活動の深化を図ることなどを目的としている。釧路市内の８高校と大学や行政機関等が連携して、地域に貢献する人材育成に取り組む「仮称・ＫＵＳＨＩＲＯハイスクールコンソーシアム」の来年度設立に向け、塙校長が京都市教委などを視察訪問したことが契機となったもの。

　はじめに、同校の卒業生である釧路新聞社の星匠代表取締役社長による講演が行われた。「くしろよろしく～釧路の歴史と産業」と題して、釧路市の漁業、製紙業、鉱業の三大産業などについて紹介した。

　このあと、探究成果交流会。西京高は平成２５年から１年生の生徒を対象に将来の自分のありたい姿の実現を図る活動を実施。北海道や沖縄など国内７ヵ所から選択し、５泊６日の日程でフィールドワーク活動を行っている。今回、同校訪問前にオホーツク管内斜里町で流氷ウオークを体験したほか、知床自然センターなどを見学したことから「流氷の価値と保存」をテーマとした探究成果の内容を発表した。

　流氷によって繁殖した菌類（アイスアルジー）などのプランクトンからつながりつくり出されていく豊かな生態系を活用した生態マップの作成を企画。このほか、若い世代の関心を高めることで、流氷を守る担い手育成の一助として、インスタグラム等を活用した広報活動の充実などを提案した。

　また、休憩時間に西京高の生徒から「おいしいお土産って何？」と聞かれた同校の生徒たちが道内の名産品を勧めるなど活発な交流の様子が見られた。

　最後に、同校の進藤優羽さんによる生徒代表あいさつ。進藤さんは西京高の生徒の発表内容について「自分たちでは気付けない発見が多くあり、これからの探究活動で生かしていきたい」と述べた。

　西京高の学年主任を務める和田野紘平教諭は今回の交流活動について「同世代に自分の考えをプレゼンテーションすることで、自分のことを再確認し自己変容を意識する機会となる」と話した。

　また、同校の塙校長は、来年度の見学旅行で京都府を訪れ、自主研修時の交流を予定していることを踏まえ「今回の交流会がその第一歩となれば」と両校のより一層の交流に期待を寄せた。

(学校 2023-03-27付)