別海町教委 生きる力アップPJ 遠隔合同授業を検討 小規模校の課題解決目指し
(市町村 2023-03-31付)

 【釧路発】別海町教委は「別海町生きる力アッププロジェクト」の一環として小規模校同士をつないで同時に授業を行う遠隔合同授業の実施を視野に入れている。昨年10月には遠隔交流授業と位置付け、町立西春別小学校と上風連小学校による遠隔合同授業を実施済み。小規模校が抱える課題の解決や学校間の連携強化、児童たちによる交流など多くの効果に期待を寄せている。

 町教委は、平成26年度から「生きる力アッププロジェクト事業」を実施。①ふるさと教育②学びの土台づくり③教師力向上―の3点を軸として、子どもたちの将来を見据えた「ふるさと別海」を支える教育を推進している。

 遠隔合同授業は事業の一環として行ったもの。近年、少子高齢化などの影響で小規模校が増加。これによって生徒が多様な意見に触れる機会が少ない、コミュニケーション力を育成する機会が少ないなどの課題を抱えている。また、対策として複式授業を実施する学校においても、児童生徒を直接指導する時間が限られてしまうなど、課題が生じている。

 町教委はこれらの課題解決はもとより、他校の生徒の多様な意見や考えに触れることで社会性の醸成を図るほか、多くの町内中学生が進学する別海高校への入学時も授業交流をきっかけとしたより一層の交流などを期待して取組を行っている。

 生きる力アッププロジェクト座長を務める別海中央中学校の野口泰秀校長は今回の取組について「近隣の学校同士が合同で取り組むことによって、同年齢の児童生徒が多人数での授業ができるとともに、複式教育で常に課題となる同時間接指導の在り方に一石を投じてくれた取組」と位置付けている。

 昨年10月には、西春別小と上風連小の5・6年生を対象に遠隔合同授業を試験的に実施。オンライン形式で両校をつなぎ学年ごとに算数の授業を行った。

 終了後、参加者を対象としたアンケート調査を行っており、結果をみると、児童からは「答えの出し方が自分たちと違い新しい発見があった」「算数以外の教科でも交流授業を行いたい」などの声が上がった。

 教員からは「2校とは限らず複数校との合同交流授業の可能性がある」など期待の声が上がった。

 町教委は、今回の遠隔交流授業で生じた課題等について改善策を講じた上で「日常的・継続的な実施を図るとともに、中学校での実施も視野に入れていきたい」と話している。

(市町村 2023-03-31付)

その他の記事( 市町村)

鹿部中・長万部中が附属函館中と遠隔交流 地方創生に向け議論 社会科地理で協働的学びに期待

附属函館中社会科遠隔交流  【函館発】生徒が自分の住む町の課題について調べることが一般的だった社会科の地理的分野。渡島管内の中学校では、道教育大学附属函館中学校(中村吉秀校長)との遠隔交流を通して、近隣市町の課題に視...

(2023-04-04)  全て読む

地域の高校を存続させる方法は 町外から呼べる学校に 平取高存続へ初フォーラム

平取高存続へ初フォーラム  【苫小牧発】平取町・平取高校の魅力化を図り存続させる会(会長・遠藤桂一平取町長)は3月24日、中央公民館で「第1回平取高校と地域の未来を考えるフォーラム」を開催した。平取高存続に向け、住民...

(2023-04-04)  全て読む

浦河町5年度教育行政執行方針 若手を大学教授が支援 浦河小等に通級指導教室

浦河町教育長浅野浩嗣  【苫小牧発】浦河町教委の浅野浩嗣教育長は、町議会定例会で5年度教育行政執行方針を説明した。本年度新たに、主に若手教員を対象にしたオンラインによる「授業改善クリニック」を大学教授の指導で行う...

(2023-04-04)  全て読む

若手教員の授業改善へ浦河町教委 新たにクリニック実施 講師は道文教大・石垣教授

 【苫小牧発】浦河町教委は5年度から新たに、主に若手教員を対象にしたオンラインによる「授業改善クリニック」を実施する。北海道文教大学の石垣則昭教授が講義を行い、双方向での質疑などを通して授業...

(2023-04-04)  全て読む

音更町 5年度教育行政執行方針 家庭学習の習慣化を 学校運営協で研修会開催

5え、音更町教育長福地隆  【帯広発】音更町教委の福地隆教育長は5年度教育行政執行方針において、5年度に改定する「家庭学習のすすめ」を全児童生徒の家庭に配布し、学校と家庭が連携した家庭学習の充実と習慣化に取り組むこと...

(2023-03-31)  全て読む

今金町 5年度教育行政執行方針 中学生対象に電子図書 部活動地域移行へ協議会

5び、今金町教育長中山秀悦  【函館発】今金町教委の中山秀悦教育長は5年度教育行政執行方針において、中学生を対象に1人1台端末を活用した電子図書の導入を進めていく意向を示した。部活動については7年度末をめどに地域移行を...

(2023-03-31)  全て読む

取組の成果など共有 岩見沢市教育研究所 事業報告会

岩見沢教育研究所・事業報告会  【岩見沢発】岩見沢市立教育研究所(砂川昌之所長)は2月中旬、オンラインで事業報告会、対面形式で運営委員会を開催した。研究所職員と学校管理職ら約50人が参加。今後の事業推進に向けて、各種事業...

(2023-03-30)  全て読む

防犯ブザー寄贈受ける 美唄市教委 岸本組から

岸本組防犯ブザー寄贈  【岩見沢発】美唄市教委は23日、市内の建設企業・(株)岸本組から市内新入学児童への防犯ブザーの寄贈を受けた。同社が行う地域貢献活動の一環で、17回目の支援。石塚信彦教育長は、長年にわたる取...

(2023-03-30)  全て読む

羽幌町5年度教育行政執行方針 端末用い子の能力育成 地域と目標共有しCS推進

羽幌町教育長山口芳徳  【留萌発】羽幌町教委の山口芳徳教育長は5年度教育行政執行方針において、1人1台端末の活用などを通して児童生徒の資質や能力が一層育成される教育活動の実践に努める意向を示した。また、学校と地域...

(2023-03-30)  全て読む

留萌市 5年度教育行政執行方針 教育支援センター設置 部活動地域移行 段階的に

留萌市教育長高橋一浩  【留萌発】留萌市教委の高橋一浩教育長は5年度教育行政執行方針において、不登校児童生徒への支援に向けて新たに教育支援センターを設置する方針を示した。部活動の地域移行については、国のガイドライ...

(2023-03-30)  全て読む