音更町 5年度教育行政執行方針 家庭学習の習慣化を 学校運営協で研修会開催
(市町村 2023-03-31付)

5え、音更町教育長福地隆
福地教育長

 【帯広発】音更町教委の福地隆教育長は5年度教育行政執行方針において、5年度に改定する「家庭学習のすすめ」を全児童生徒の家庭に配布し、学校と家庭が連携した家庭学習の充実と習慣化に取り組むことを示した。また、全小・中学校に設置した学校運営協議会で関係者を対象とした研修会を開催し、地域と共にある学校づくりを推進することとした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼確かな学力の向上

 少人数学級などを推進するため、町費負担教諭の配置によって、小学校では35人以下学級を基本に、小学1・2年生で30人以下学級を編制するとともに、学習支援員・複式教育学習支援員を配置し、個に応じた、よりきめ細かな学習指導の充実に努める。

 全国学力・学習状況調査および標準学力調査の結果分析を踏まえながら、組織的な学習指導の工夫改善を図り、特に下位層の児童生徒の基礎学力の定着に取り組むほか、本年度改定する「家庭学習のすすめ」を全児童生徒の家庭に配布し、学校と家庭が連携して家庭学習の充実と習慣化に取り組む。

▼豊かな心の育成

 道徳教育について「考え、議論する道徳」の実践を充実させ、児童生徒が道徳性を養うことの意義について考え、理解し、主体的に学ぶ授業づくりを進める。

 いじめや不登校については、未然防止と早期発見・早期解消が重要なため、町および各学校で策定している「いじめ防止基本方針」に基づいた取組を実施するほか、幼保小中連携や小小連携による取組を進める。ヤングケアラーについても、学校・家庭・関係機関と情報を共有するなど連携し対応する。

 教育相談体制については、子どもたちを取り巻く環境が複雑化、多様化する中で、心の教室相談員、教育推進員、学校教育相談員の配置や道教委のスクールカウンセラー活用事業に加え、本年度、スクールカウンセラー1人を教育委員会に配置し、年々増加する学校からの相談対応、緊急時における即時対応や予防的取組などの充実を図る。

 町内2ヵ所の教育支援センターは、家庭や学校以外の居場所の一つとして、様々な要因で不登校や不登校傾向にある児童生徒の社会的自立に向けた支援に努める。

▼健やかな体の育成

 全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果分析を踏まえるとともに、新体力テストを多くの学年で複数回実施できるよう努めるなど、体力・運動能力の向上のための継続的な取組を推進する。

 食育については、自校給食の特色を最大限に生かし、食事の重要性や食への感謝の気持ちなどを育みながら、食に関する正しい知識と望ましい食習慣の定着を図るための指導に取り組むとともに「おとぷけ給食」などによって、地産地消や地場産品を知る機会を通して本町産業への理解を深める。

 給食費については、保護者負担の軽減を図る観点から、町で値上げ相当分全額を補助することとし、実質的に負担増とならないよう対応する。6年度からの学校給食費の公会計化に向け、新たな管理システムの導入や事務手続きなどの検討を進める。

▼教育活動の充実

 外国語教育は、引き続き英語指導助手2人を小・中学校の外国語授業に派遣するほか、小学校では外国語専科教員の活用や外部講師の派遣を継続し、外国語でコミュニケーションを図る基盤となる資質・能力の育成に努める。

 学校のICT活用については、児童生徒1人1台のタブレット端末をより効果的に活用するため、本年度、小学校の全児童を対象に学習支援アプリを導入し、学習活動の充実に努めるとともに、町教育研究所の協力を得ながら、より実践的な活用に向け取り組む。

▼特別支援教育の充実

 特別支援学級に在籍する重度肢体不自由児等の食事や排せつなどの生活介助を行うため、介助員を派遣するほか、医療的ケアが必要な児童を支援するため、看護師を派遣する。家庭・学校・関係機関と連携し、児童生徒や保護者の多様なニーズに応じた適切な支援を行う。

▼教育環境の充実

 「町教育施設等長寿命化計画」に基づく大規模改修工事を柳町小学校で引き続き実施するほか、緑南中学校において長寿命化に向けた校舎改修工事を実施する。駒場中学校における多機能トイレの設置を含めたトイレ改修工事などを実施する。児童生徒の熱中症対策として、本年度は各小・中学校における校舎のエアコン整備に向けた経済性や環境性などを検討する基本計画を策定する。

 学校図書館には、学校司書5人を拠点校となる各中学校に配置し、校区内の小学校についても定期的に巡回するほか、新たに小学校4校に蔵書管理システムを導入し、児童生徒の読書環境の整備と利用促進に取り組む。

▼信頼される学校づくり

 コミュニティ・スクールは、前年度、全小・中学校に学校運営協議会を設置し、本年度は、関係者を対象とした研修会を開催し、より一層、地域と共にある学校づくりの取組が推進されるよう努める。

 学校を核とした地域づくりを目指す地域学校協働活動については、前年度、小・中学校6校をモデル校に認定し実施した模擬選挙教室や消費者教育教室など、将来の社会参画を重視するシチズンシップ教育の実績を踏まえ、本年度においても、シチズンシップ教育のほか郷土愛を育むふるさと教育や、町内企業と連携した職場体験学習など、全小・中学校において積極的に取り組む。

 教職員の業務改善については「町立学校における働き方改革推進プラン(第2期)」に基づく取組を継続するほか、前年度から実施している時間外在校等時間の公表などによって、教職員の意識改革を促すとともに、業務改善に必要な環境整備などにつなげる。

 部活動の地域移行については、学校関係者やスポーツ・文化芸術団体の関係者などによる協議会を設置し、研修会を開催するなど情報共有を図りながら、本年度は円滑な地域移行に向けた推進計画の策定を進める。

▼音更高校への支援

 安定的な入学者数の確保に向け、タブレット端末の無償貸与による教育環境の整備のほか、中学校との相互交流や情報共有などの連携充実を図り、音更高校の魅力を広く伝えるための情報発信を行う。

 帯広大谷短期大学のほか、前年度、町と包括連携協定を締結した小樽商科大学との高大連携など、教育活動の充実支援について検討を進めるほか、音更高校の生徒を対象とした給付型奨学金による経済的な支援や学校生活の充実に向け、音更高校教育振興会や同窓会とも連携し、町内企業・団体などの協力を得ながら、地域に根差した特色ある高校づくりを支援する。

(市町村 2023-03-31付)

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