西興部村５年度教育行政執行方針　小中一貫教育　６年度までに方針　検討委設置し先進地視察等

（市町村 2023-04-10付）

飯束亨教育長

　【網走発】西興部村教委の飯束亨教育長は、村議会第１回定例会で５年度教育行政執行方針を説明した。小中一貫教育に関する基本方針を６年度までに策定するため、検討委員会を設置し先進地の視察などの調査を進めていく。このほか、小学校では学童保育を活用し、中学校では公設学習塾を開設することで、学習習慣定着を図るための学習の場を提供していく考えを明らかにした。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼学校教育の振興

　ＧＩＧＡスクール運営支援センターの機能強化や積極的な学習支援ソフトの導入を図るなど１人１台端末活用の推進に努めるとともに、国の６年度以降の学習者用デジタル教科書導入を見据え、円滑かつ効果的な活用の観点から教師用・学習者用デジタル教科書の導入にも積極的に取り組んでいく。

　小中一貫教育については、義務教育９年間を見通した目指す子ども像や教育課程などを共有し、学習指導などの一貫性に配慮した取組を推進するために、学校間の連携強化に努め、個々の児童生徒の実態を共有し、児童生徒のつまずきやすい学習内容について長期的な視点に立ったきめ細かな学習指導の工夫改善に努めていく。

　特別支援教育においては、特別支援教育連携協議会や教育支援委員会と連携しながら、個別の指導計画、支援計画に基づき、自立や社会参加に向け中学校卒業まで切れ目のない適切な指導や支援、共生社会の形成に向けた交流・共同学習の充実に努めるとともに、教職員全員の共通理解に立った指導に努める。

　キャリア教育の充実として、児童生徒が将来、社会に出てからも自信と希望を持って活躍することができる資質・能力を身に付け、自己の確かな進路実現に結び付けることができるよう新たな業種やＩＣＴを活用した働き方など、社会に求められる人材像を踏まえながら進路指導の充実を図っていく。

　道徳教育の充実に向けては、これまでの児童生徒の道徳性を養う「考え、議論する道徳」において自分の存在を認め、互いの違いを認め合う指導に加えて、道徳科の授業と各教科等との関連を図り、学校の教育活動全体を通じて指導がなされるよう適切な指導に取り組む。

　読書環境の向上については、知的好奇心を喚起したり、豊かな情操を養ったりするために朝読や読み聞かせの充実を図るとともに、家庭における読書活動の推進にも努め、子どもの豊かな感性、表現力、創造力、思考力、豊かな心の育成に取り組んでいく。

　いじめ防止対策では、道いじめ防止基本方針を踏まえ、各学校において日常的に児童生徒の様子を観察し、定期的なアンケート調査、児童生徒の個人面談の実施など学校内におけるいじめ対策組織を中心とした、未然防止、早期発見、早期対応に向けた取組を図るとともに、スクールカウンセラーや警察など関係機関とも連携し、適切な対応に努めていく。また、児童生徒および保護者に対して啓発チラシを配布するなどして、家庭でのルール作りなど情報モラル教育を高める取組を推進していく。

　心身の健やかな成長を促す教育の推進として、新体力テストの結果分析を踏まえた体育・保健体育の授業改善に取り組むとともに、課題のある種目については、朝の活動などに位置付け計画的に目標を持って取り組むなど児童生徒の体力・運動能力の向上に努める。また、栄養教諭を中心に全ての教職員が連携・協力した食育推進体制の充実にも力を入れていく。

　また、児童生徒の健康の保持増進を図るため、健康診断の実施、心の健康チェックおよび感染症の対策など「学校の新しい生活様式」や「危機管理マニュアル」を踏まえ、組織・研修体制の充実を図るとともに、「学校給食衛生管理マニュアル」や保健所の指導に基づく衛生管理の徹底に努めていく。特にアナフィラキシー発症時における模擬訓練やエピペンの取り扱いに関する講習など有事に備えた体制整備や、学校給食担当者会議や給食アンケートなどによる意見・要望を考慮し、安全・安心で栄養バランスの取れた、児童生徒が待ち望む学校給食の提供に努めていく。

　家庭や地域との連携・協働の推進については「子どもを守り育てる地域連絡会議」の開催、「こども１１０番の家」運動、街頭指導ボランティアによる児童通学の見守りなど、犯罪や事故から子どもを守る安全対策の充実と、児童生徒の望ましい生活習慣の定着や家庭学習について、学校全体で共通理解を図り、発達段階を踏まえて系統的な指導を行うなど学校・家庭・地域が相互に連携・協働して、地域全体で子どもたちの成長を支えていく環境の充実に努める。また、教職員の服務規律の保持のための「コンプライアンス確立月間」など、教職員の不祥事防止に向けた集中的な取組や年間を通じた継続的な取組を一層推進していく。

　児童生徒の安全確保については、生活安全・交通安全・災害安全に関する内容を適切に位置付けた危機管理マニュアルを児童生徒や地域等の実態を踏まえ必要に応じて見直すとともに、事件・事故・災害を想定した避難訓練などの実施や通学路の安全確保、危機管理に関する校内研修を一層充実させていく。

　部活動の地域移行では、「北海道部活動の地域移行に関する推進計画」を参考にしながら、地域の実情に応じて学校・保護者・地域および近隣市町と連携しながら合同部活動の導入、地域の人材を活用した部活動指導員等の人材バンクの設置など、地域移行が円滑に進むよう環境整備を進めていく。

　学校施設整備では、脱炭素化に向けた取組として、小・中学校、学校給食センターのＬＥＤ化や施設の安全を確保し円滑な教育活動が行えるよう緊急性等を勘案しながら施設の補修、改善を行うとともに、学校備品についても日々の授業等に支障を来すことのないよう環境整備を図る。

　また、子どもたちが家庭の経済状況に左右されることなく教育を受けることができる環境のため、児童生徒の学校給食費全額補助、準要保護・特別支援家庭への学用品等扶助や高校通学費等補助、中体連参加への補助などを引き続き実施し、保護者の教育に係る負担軽減に努めていく。

(市町村 2023-04-10付)