枝幸町　５年度教育行政執行方針　部活動地域移行　協議の場設置へ　小中全学年でフッ化物洗口

（市町村 2023-04-10付）

枝幸町・小川俊輝教育長

【稚内発】枝幸町教委の小川俊輝教育長は３月上旬、町議会定例会で５年度教育行政執行方針を説明した。部活動の地域移行については「地域の関係機関と協議の場を設け、現状と課題を明確化し、部活動の地域移行に向けた検討を進める」とした。

　このほか、前年度は小学１年生のみを対象としたフッ化物洗口事業を小・中学校全学年に拡大する方針を示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▼未来社会で生きるための実践的な力の育成

学力向上については、全国学力・学習状況調査や各種学力検査などを活用し、結果の把握・分析を行い、検証改善サイクルを確立する取組を一層推進していく。

　「主体的・対話的で深い学び」の視点に基づく授業改善を進め、子ども自身が興味を持ち、子ども同士の対話によって自らの考えを広げ、課題の解決を図る「探究」の過程に取り組む姿勢を身に付けさせていく。

　また、児童生徒用端末などのＩＣＴを積極的に活用し、学習意欲を高め「個別最適な学び」と「協働的な学び」を推進する。

特別支援教育は、支援員の配置など、児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに対応した指導や支援の充実を図り、インクルーシブ教育の推進に努める。

　国際理解教育については、外国語指導助手の配置を継続し、英語指導の充実とコミュニケーション能力の向上、学校への効率的な派遣に努める。

持続可能な社会の創り手を育むふるさと教育の推進では、枝幸の自然や文化・産業などの理解を深めながら、ふるさとに対する愛着や誇りを育んでいく。

　また、小学校から高校を通じて、町内での社会見学や職場体験などの学習状況により、キャリア形成を自ら見通し、評価を行うキャリアパスポートを積極的に活用していく。

▼豊かな心と健やかな体の育成

　健康教育の充実については、各種感染症の予防のため、基礎的な知識や対策を身に付けさせる指導を行っていく。

　また、前年度から子どもたちの歯の健康を守るため、小学１年生を対象にフッ化物洗口事業を試験的に行っているが、本年度からは、小・中学校全学年を対象に本格実施し、子どもたちの虫歯予防対策を図っていく。

▼学びをつなぐ学校づくり

　学校運営協議会が導入されている学校では、学校・家庭・地域が一体となって意見を出し合い、魅力ある学校づくりに取り組んでいることから、引き続き地域の協力を得ながら、学校運営を行っていく。導入されていない学校においては、今後導入に向けて検討する。

　学校種別間の連携については、幼児教育施設と小学校・中学校・高校間で、相互理解に基づいた連携と協力を図りながら、児童生徒の教育の接続を円滑に進めていく。

　枝幸高校の存続については、魅力ある高校に向けて、町と連携を図りながら、引き続き、各種就学助成事業を行うとともに、中学校と高校が連携を強化し、地元高校への進学率の維持向上に努めていく。

　学校運営改善では、教職員の働き方改革において、教員が子どもと向き合う時間の確保に向けて「枝幸町立学校における働き方改革行動計画（第２期）」に基づき、継続した業務改善に努める。

　部活動の地域移行について、国では「将来にわたり地域で持続可能な体制構築」として、休日の部活動を地域に移行することを掲げ、このことによって教職員の働き方改革につながり、学校教育の質の向上を図ることを目指している。

　このことから、地域の関係機関と協議の場を設け、現状と課題を明確化し、部活動の地域移行に向けた検討を進める。

　教職員の資質・能力の向上については、専門的知識と指導力向上のため、関係機関が主催する研修に積極的な参加を促し、教職員全体のスキルアップを図っていく。

(市町村 2023-04-10付)