壮瞥町 5年度教育行政執行方針 校務支援システム 小・中に配備 9年間見通す教育課程編成
(市町村 2023-04-10付)

壮瞥町教育長谷坂常年
谷坂常年教育長

 【室蘭発】壮瞥町教委の谷坂常年教育長は、5年度教育行政執行方針で、昨年12月に策定した小中一貫教育に係る基本方針に基づき小学校から中学校の9年間を見通した目標や教育課程を策定しその充実を図る考えを示した。また、学校における働き方改革アクション・プランに基づき、新たな校務支援システムを小・中学校に配備することを明らかにした。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▽小中一貫教育の推進

 4年12月に教育委員会が策定した小中一貫教育に係る基本方針によって、小学校から中学校の9年間を見通した目標や教育課程を策定し、その充実を図る。外国語および外国語活動において、中学校教諭の小学校への乗り入れ指導の推進や、本町独自のフィンランド国派遣事業を中心とした外国語および国際理解教育を小・中学校で計画的に取り組み、その充実を図る。

 また、JETプログラムを活用した外国語指導助手を小中高に派遣し、必要な資質・能力を児童生徒が確実に身に付けられるよう取組を進める。

 さらに、総合的な学習の時間では、小中9年間を通した「ふるさと学習」を計画的に進め、中学校3年生で実施する「子ども議会」に向けた学習活動など、探求的な学びを通して、地域の皆さまと協働して、児童生徒に持続可能な社会の創り手としての資質・能力を育成する。

▽確かな学力を育む個別最適な学びと協働的な学びの実現

 全ての子どもたちの可能性を引き出す、個別最適な学びと協働的な学びを推進する。そのため、学校教育活動の全てにおいて、GIGAスクール構想の1人1台端末によるICTの活用を充実させるとともに、学習者用デジタル教科書を小・中学校の一部教科で使用するなどの取組を支援する。

 中学校の英語科において、道教委に指導方法の工夫改善に係る定数の加配を申請して、生徒の学ぶ意欲が向上する授業改善や指導方法の工夫改善に取り組み、生徒の主体的・対話的で深い学びの実現に努める。

▽教育環境の整備

 壮瞥中学校建て替え事業は、壮瞥中学校改築検討委員会議等の審議を経ながら、4年度に基本設計、実施設計と進めてきた。5年度に実施設計を完成させ、その後、建築工事に着工、6年度に、一部外構工事を除き、概ね新校舎等の整備が完了する予定である。引き続き町長部局と連携して推進する。

▽地域に貢献する高校づくり

 創立75年の伝統を誇る壮瞥高校は、多くの同窓生が町内はもとより、全道、全国で活躍している。昨年10月に実施された第73回日本学校農業クラブ全国大会の農業鑑定競技会(園芸)に参加した1年生が、優秀賞を受賞した。12月には、校内で農業クラブ実績発表大会が行われ、醸造用ブドウ栽培への取組や果樹の廃木を活用した地域貢献、壮瞥高校版IPM(総合的病害虫・雑草管理)の確立など、日々の学習における調査・研究について発表し、審査員の皆さまから高評価を得た。

 また、コロナ感染拡大防止を図り実施した「朝市」に110人、「収穫祭」には256人、「りんご鉢花販売会」に85人、「めぐみ」は年間6回実施し、延べ164人の多くの皆さまに来校いただいた。生徒が日々の実習等で育てた生産物や加工品を対面で販売し、その場で商品に関する聞き取り調査を実施して改善を図るなど、活動の充実を図った。今後も地域の期待に応える学校の取組を支援する。

▽地域とともにある学校づくり

 本町は、小中高の全ての学校に学校運営協議会を設置し「地域とともにある学校―コミュニティ・スクール」の取組を推進してきた。読書や食育、壮小サポーターなど多くのボランティアの皆さんによる学校への支援が行われている。また、道教委の支援を受け、小学校に地域学校協働活動推進コーディネーターを配置し、保護者、地域、学校が、より一層連携し、子どもたちを育む社会の形成に向け取り組んでいく。

このように、学校教育と地域社会との連携の中で「社会に開かれた教育課程」の実現に向けて、より力強く取り組んでいく。

 また、学校における働き方改革アクション・プランに基づく取組を着実に進める。これまで壮瞥高に校務支援システムを導入していたが、新たな校務支援システムを小・中学校に配備する。子どもたちが質の高い教育を受け、自らの可能性を最大限に伸ばすために、教職員が健康で生き生きとやりがいを持って勤務できるよう支援する。

 さらに、国が方向性を明示している「学校の働き方改革と持続可能な部活動の実現」について、スポーツ・文化や経済活動の振興など、地域の活性化を目指し、関係団体と連携して「部活動の地域移行」について、引き続き検討を進める。

(市町村 2023-04-10付)

その他の記事( 市町村)

岩内町5年度教育行政執行方針 義務教育学校工事を本格化 8年度開校へ情報発信等

岩内町教育長三浦宣彦  【小樽発】岩内町教委の三浦宣彦教育長は5年度教育行政執行方針において、8年度の義務教育学校の開校に向けて本格的な工事に着手するほか、開校準備委員会を通じ、調査・検討、情報発信に努めるとした...

(2023-04-12)  全て読む

上士幌町 5年度教育行政執行方針 ESD・SDGs 上士幌中で探究 教育の情報化へ取組推進

上士幌町小堀雄二   【帯広発】上士幌町教委の小堀雄二教育長は5年度教育行政執行方針で、中学校では管内初のユネスコスクールに登録された上士幌中学校において、ESDおよびSDGsに関わる探究学習を推進するこ...

(2023-04-11)  全て読む

枝幸町 5年度教育行政執行方針 部活動地域移行 協議の場設置へ 小中全学年でフッ化物洗口

枝幸町教育長小川俊輝 【稚内発】枝幸町教委の小川俊輝教育長は3月上旬、町議会定例会で5年度教育行政執行方針を説明した。部活動の地域移行については「地域の関係機関と協議の場を設け、現状と課題を明確化し、部活動の地...

(2023-04-10)  全て読む

西興部村5年度教育行政執行方針 小中一貫教育 6年度までに方針 検討委設置し先進地視察等

西興部村教育長飯束亨  【網走発】西興部村教委の飯束亨教育長は、村議会第1回定例会で5年度教育行政執行方針を説明した。小中一貫教育に関する基本方針を6年度までに策定するため、検討委員会を設置し先進地の視察などの調...

(2023-04-10)  全て読む

上富良野町5年度教育行政執行方針 端末持ち帰りを試行 部活動地域移行へ協議

上富良野町教育長鈴木真弓  【旭川発】上富良野町教委の鈴木真弓教育長は5年度教育行政執行方針において、学習支援システムを試行的に導入し、家庭への端末持ち帰りに向けた試行・検討を進める考えを示した。教育相談体制の一層の...

(2023-04-10)  全て読む

交通安全旗贈られる 美幌町教委 建設関係団体から

美幌町教委に交通安全旗寄贈  【網走発】美幌町教委は4日、建設産業交通安全推進網走地方本部美幌支部(支部長・大沼泰聖太建設(株)社長)から交通安全旗80旗の寄贈を受けた。交通安全旗を町内の各小・中学校などに掲揚し、子ど...

(2023-04-07)  全て読む

釧路市 5年度教育行政方針 学力向上など施策推進 小中ジョイントPJ基軸に

釧路市教育長岡部義孝  【釧路発】釧路市教委の岡部義孝教育長は、5年度教育行政方針において、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を目指し、義務教育段階9年間の連続性と系統性を意識した取組「小・中ジョイントプ...

(2023-04-07)  全て読む

鹿追町5年度教育行政執行方針 中学校2校IB認定へ 探究充実や教育DXに対応

鹿追町教育長渡辺雅人  【帯広発】鹿追町教委の渡辺雅人教育長は5年度教育行政執行方針において、中学校2校の「国際バカロレア」認定に向け、探究教育の充実や教育DXに対応した情報活用能力の育成に取り組む意向を示した。...

(2023-04-06)  全て読む

帯広市5年度教育行政執行方針 デジタル教育環境整備 不登校児の多様な学びを確保

帯広市教育長広瀬容孝  【帯広発】帯広市教委の広瀬容孝教育長は5年度教育行政執行方針において、不登校児童生徒の多様な学びの確保やプログラミング学習教材の導入など、デジタル技術を活用した教育環境の整備を進める意向を...

(2023-04-06)  全て読む

江別市教委 4年度体力等調査結果 体力合計点 全校種で全国平均以上 疾走能力、柔軟性一層向上へ

表  江別市教委は、4年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を公表した。実技検査をみると、体力合計点は全校種で全国平均以上となった。種目別では、小5男子・女子共に5種目、中2男子は4種目、...

(2023-04-06)  全て読む