上士幌町 5年度教育行政執行方針 ESD・SDGs 上士幌中で探究 教育の情報化へ取組推進
(市町村 2023-04-11付)

上士幌町小堀雄二
小堀雄二教育長

  【帯広発】上士幌町教委の小堀雄二教育長は5年度教育行政執行方針で、中学校では管内初のユネスコスクールに登録された上士幌中学校において、ESDおよびSDGsに関わる探究学習を推進することを示した。

 また「新・教育の情報化プロジェクト会議」によって、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの見直しやプログラミング教育、インターネットの特性を理解し正しく活用する能力の向上に努める。

 執行方針の概要はつぎのとおり。

▼地域ぐるみの子育て支援

 本年度、第3期上士幌町子ども・子育て支援事業計画策定に向けたニーズ調査と、併せて、子どもの貧困対策に関する調査、ヤングケアラーなどの困難な状況にある子どもの実態調査を進め必要な対応に着手する。

▽子育て支援の充実

 認定こども園の南側園庭の休日利用を可能とするほか、地域サロンなど小さな拠点づくりを進め、子育て世代の居場所の充実を図る。子育て支援センターが担う各種ひろばの取組と合わせ、社会全体で子育て支援につながるよう、子育て経験が豊富なシニア世代との交流を図るなど、子育て世帯を優しく包み込む社会的機運の醸成に努める。

 昨年、移住促進対策事業として試行的に実施した「Two―Way留学」は、首都圏等と上士幌を結ぶ2拠点保育・教育を可能とし、双方にとってのメリットが期待以上に大きかったことから、関係諸機関と連携して、ことしは様々な機会で情報発信に努め、子育て世帯のニーズに応える。

 新たに特別支援学級に在籍する児童生徒に対する経済的支援や家族で食事をする機会の少ない子どもの孤食の防止や居場所づくりを目的とした団体等への支援事業を創設し、家庭の経済状況や生まれ育った環境に左右されることなく、学ぶ意欲と能力のある全ての子どもが質の高い教育を受け、能力・可能性を最大限に発揮できる環境の整備に努める。

▼教育環境の基盤整備

▽かみしほろ学園の推進

 校種間の交流と相互理解を目的に異校種異学年によるスポーツフェスティバルを開催する。自己管理手帳の改定をはじめ、必要な見直しを進める。

▽子どもの読書推進

 次期の子どもの読書推進計画を見据え、紙とデジタルの特性を生かした読書活動の推進や多様なニーズ、発達段階に応じた効果的な事業推進を図る。

 新学習指導要領を踏まえた授業推進のため、学校図書館における基本図書の再点検を行い、計画的な図書更新を定めた図書整備計画を策定する。司書教諭や学校司書と町図書館・ボランティア等と連携し、感染症やSDGsなど新しいトピックに関連する書籍を揃え、図書館資料を活用した教育課程の充実に努める。

▽教職員の働き方改革

 4月から改革集中期間に入る「部活動の地域移行」への対応を上士幌町働き方改革推進会議や体育連盟など関係者との意見交換会を実施し、移行準備を進めていく。また、校務の効率化に向け、統合型校務支援システムの調査研究を行う。

▼義務教育の充実

 上士幌中学校が道内の中学校では6番目、十勝管内では初のユネスコスクール登録となる見込みとなった。地球規模の諸問題に若者が対処できるような新しい教育内容や手法の開発、国内の関係機関との連携も強化されることからESD(持続可能な社会づくりの担い手を育む教育)とSDGsを関連付けた探究的な学習を推進する。

▽確かな学力の向上

 バランスの取れた教育課程の編成・実施・評価を工夫するとともに、授業や家庭学習で利用できるデジタルドリルを効果的に活用し、自ら学び自ら考える力を育てる探究型の授業展開を充実させる。単元構成で「主体的・対話的で深い学び」を適切に位置付け、授業そのものの質を高め、子どもたちが持続的に人生や社会を自ら創出できる資質・能力を向上させることを目指す。

▽豊かな心と健やかでたくましい心身を育む教育の推進

 家庭におけるテレビやスマートフォン、ゲームの時間のルールや生活習慣等の見直しも必要であり、学校や連合PTA、学校運営協議会と連携したノースクリーンデーの複数実施、小中学校からの通信等の資料提供や「生活リズムチェック」などの活用・啓蒙を通して、生活習慣に対する関心や意欲を高め、改善を図る。

▽情報活用能力の育成と国際理解教育の推進

 ICT推進担当教諭を中心に研修を進め「協働的な学び」と「個別最適な学び」の充実を図る。端末更新などのつぎなるフェーズに向けて課題の洗い出しを行い、学校DX(デジタルトランスフォーメーション)を進める。

 「新・教育の情報化プロジェクト会議」によって、教育情報セキュリティポリシーに関するガイドラインの見直しやプログラミング教育、児童生徒のインターネットの特性を理解し正しく活用する能力の向上に努める。

 国際理解教育については、外国人英語指導助手および国際交流推進員を中心に、認定こども園と上士幌小学校の接続を考慮した取組や小中学生と海外をオンラインでつないだ交流活動の充実を図る。

▼高校の振興

 上士幌高校振興会による支援を中心に、学校内外の特色ある学びへの支援を進めるとともに、学区外入学や道外募集を想定した受け入れ環境の整備や募集方法について引き続き高校と検討する。

(市町村 2023-04-11付)

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