厚岸町5年度教育行政執行方針 地域力生かす活動充実 新たな生涯学習課へ再編(市町村 2023-04-12付)
滝川敦善教育長
【釧路発】厚岸町教委の滝川敦善教育長は、5年度教育行政執行方針において、生涯学習課とスポーツ課を統合し、新たな生涯学習課として持続可能な社会学習の実現を目指し、環境整備や多様な学習機会の提供などを図ることとした。
このほか、コミュニティ・スクールの活用や全国豊かな海づくり大会関連行事への参加など、地域力を生かした教育活動の充実により、地域に対する愛着度の高い人材育成などに努めていく。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼確かな学力の育成
子ども一人ひとりが学習の主体となり「分かった」「できた」と実感できるよう、少人数指導やチーム・ティーチングを行いながら子どもの実態に応じたきめ細かな指導・支援に努めていく。
協働的な学びの推進については、学習の中で一人ひとりの学びをもとにしながら、仲間と一緒に問題を解決したり、互いの良さとして生かされながら多様なものの見方や考え方を育んだりするとともに互いに高め合う風土を育んでいく。
ICTの積極活用と授業改善については、授業におけるより有効な活用法や使用方法等を研修を行いながら、教師の力量の向上と授業改善に努める。また、校外や家庭での活用も増えることが想定されることから、子どもの操作能力の向上も図っていく。
▼豊かな心の育成
地域人材や環境を活用した直接的・間接的な体験によって、感動や達成感の味わえる学習を実施。また、学校・家庭・地域といった集団の中で自己の有用感を感じながら互いを尊重し、共感し合える集団の育成に向け体験活動の充実を図る。
いじめや不登校等、生徒指導上の諸課題に関して、学びの保障や健全育成の観点から、教職員の共通認識の下で組織的な対応を行い、関係機関と連携しながら、未然防止と早期発見、早期解決に努め、援助希求的態度が高まるよう日常の観察と指導に努めていく。
▼健康な体の育成
近年、子どもの体力は低下する傾向にあり、体育の指導の中で筋持久力や柔軟性を高める基礎運動を継続的に取り入れるなど授業の改善を図る。また、体力に関する意欲の向上を図るために校内での環境整備や啓発を行うほか、運動週間の実施など運動機会の確保を図り、体力向上に努めていく。併せて自分の健康や体の成長に目を向けるための保健指導の充実を目指す。
食育の充実については、地元食材を使った「ふるさと給食」を通して食生活を支える環境について理解を深めていく。
▼ふるさと・キャリア教育の推進
町の豊かな自然環境や地域の産業・文化に関する理解を深めるふるさと教育を継続するとともに、自分を取り巻く周辺環境に着眼し、疑問や課題を見つけ、体験したり、調べ考えたりする探究的な学びの過程を通して、ふるさとに対する理解を深め、大切にしようとする心情を育んでいく。また、コミュニティ・スクールの活用や全国豊かな海づくり大会関連行事への参加など、地域力を生かした教育活動の充実を図る。
キャリア教育の充実については、子どもたちが学習内容等を記録し、自己の成長を振り返りながら将来への目標が持てるようキャリア・パスポートの活用を継続する。このほか、地元企業交流会や職業体験を継続するとともに、企業による出前授業を活用しながら、子どもの社会的・職業的な自立に向けて必要な基盤となる能力や態度の育成に努める。
▼学びの保障
教員のキャリアステージに即した実践的かつ効果的な研修が受けられるよう、既存組織を活用しながら企画・推進指導に努め、教員の資質・能力の向上を図るため職員研修の充実を図る。
厚岸翔洋高校の通学バス定期券購入費助成を継続するとともに、生徒の学習用コンピューター端末整備の補助を継続。保護者負担の軽減と入学者確保の支援を行っていく。
また、小・中学校、高校の児童生徒間、教職員間の交流や連携を行い、同校の教育活動を支援していく。
▼生涯学習事業の推進
各種サークルや団体、関係機関と連携して学びの体験事業の充実を図り、より多くの参加者を募れるよう生涯学習情報誌やSNS等で事業に関する情報提供を行う。
通学合宿等による世代間交流や体験活動を実施するとともに、規則正しい生活習慣の習得に向けた「早寝・早起き・朝ごはん」の普及を継続。青少年の健全育成を図っていく。
部活動の地域移行については、町内で活躍する指導者の発掘のほか、教員や保護者、生徒らへのアンケート調査によってニーズを把握し、将来を見据えた検討を進めていく。
▼文化資源の保護と活用
アッケシソウの試験栽培と自生地の踏査を継続し、関係機関等との連携によって生育環境について調査を進める。このほか、アッケシソウの保護・増殖活動として先駆的な取組を行っている岡山県浅口市から講師を招いて講演会を開催し、町民が自主的にアッケシソウを守っていく体制づくりを検討する。
町の海事や郷土に関わる物品の収集や聞き取りを行うとともに、貴重な歴史資料の蓄積を進めながら展示物の充実と魅力あるプラネタリウム番組の制作に努める。
指定文化財の保護活動については、アイヌ文化と関わりの深い町指定無形文化財「厚岸かぐら」の道具を新たに購入し伝承活動を継続する。
図書・情報サービスの充実については、3年次を迎える「第3次厚岸町子ども読書活動推進計画」などに基づき、乳幼児から高齢者までの幅広い図書館サービスを実施するため、読み聞かせボランティア団体や学校司書など、関係機関と連携して各種事業を推進し、町民の皆さんの生涯にわたる読書環境の充実に努めていく。
(市町村 2023-04-12付)
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