雄武町５年度教育行政執行方針　文教地区整備　基本構想を策定　６年度設計着手へ準備

（市町村 2023-04-13付）

豊田通敏教育長

　【網走発】雄武町教委の豊田通敏教育長は、町議会第１回定例会で５年度教育行政執行方針を説明した。児童生徒の減少等に対応した柔軟な教育活動を推進していくために、学校施設やスポーツセンター施設の整備に関する基本構想を策定し、来年度の基本設計の実施に向け準備を進めていく考えを示した。

　執行方針の概要はつぎのとおり。

▽ＧＩＧＡスクールの推進

　前年度まで不具合のあった通信環境もほぼ支障がなくなり、今後は「端末活用の日常化」の浸透に向けた取組の強化を図り、ＧＩＧＡスクール構想を効果的に促進するため、学校ＩＣＴ支援員を有効に活用するとともに、デジタル教材や文部科学省ＣＢＴシステムの利活用を進め、教育分野におけるＤＸを積極的に推進していく。

▽ＳＤＧｓ・ＥＳＤの推進

　ＳＤＧｓを踏まえたＥＳＤ（持続可能な開発のための教育）の推進は、現在意識的に行っているのはごく少数であるものの、この取組は学習指導要領における「資質・能力の３つの柱」とつながるため、今後はあらゆる教科と関連付けて推進するよう各学校に求めていくとともに、社会教育分野においても、ＳＤＧｓ達成に向けた学びが広がるよう取り組んでいく。

▽確かな学力を育成するための読書活動の推進

　各学校に対し図書購入予算を配当し蔵書の充実を図るとともに、前年度から図書館司書を各学校に派遣し書架整理や図書配置のレイアウト変更など行っている。

　本年度は、６年度の学校図書館システム導入に向けて条件整備を進めるとともに、学校との連携をより深め、児童生徒に対する読書への興味付けを促進していく。

▽体力・運動能力の向上

　家庭と学校の連携を促進し、望ましい生活習慣の改善を図るとともに、社会教育とも連携し、運動やスポーツに自己の適正に応じた関わりを持たせることで、運動習慣の定着と体力・運動能力の向上に努める。

▽食を育む学校給食

　食に関する理解の促進や食習慣の形成のための食育が推進されるよう、その充実に努めていく。

　学校給食費については、給食献立の充実による食育の推進、相次ぐエネルギー価格や食材価格の高騰への対応を図るため、１食当たり小学校では２０円、中学校では２５円引き上げるが、保護者負担については全額助成を継続していく。

▽開かれた学校づくりの促進

　学校の取組や子どもたちの学びの様子などをしっかりと把握し、地域の人たちに学校をよく知ってもらうために、各学校のホームページや学校便りの充実を図るとともに、授業参観や学校行事に積極的に参加してもらうよう努め、開かれた学校づくり・教育課程を促進していく。

▽児童生徒の学びの場の拡張

　本町の児童生徒の状況は、少子化に伴う保育所や義務教育諸学校の統廃合により、友人関係に大きな変化がなく、人間関係が固定化され、多様なものの見方や考え方、表現の仕方に触れる機会がないなど、人が成長していく上で必要とされる切磋琢磨や相互啓発する機会が限られている。

　そのような機会を児童生徒に多く持たせるため、子どもたちの好奇心を引き出し、新しいことに挑戦する力を育て、人が生きていく上での総合的な学力「確かな学力」を向上させることを目的とした塾を将来設置するための調査研究を進めていく。

▽文教地区教育施設整備の推進

　より魅力的な教育施設の整備に向けて、これまでの学校施設やスポーツ施設整備の現状と課題を踏まえた上で、今後、施設を改築するために考慮すべき事項や考え方、学習空間の計画内容、整備の進め方や実行計画案等を示した基本方針に基づき、関係機関や地域の方々の意見などを取り入れながら、文教地区教育施設基本構想策定に向けて取り組んでいく。

(市町村 2023-04-13付)