4年度悩みやいじめアンケート結果 いじめられた 10・8% 札幌市教委 相談体制充実へ
(札幌市 2023-04-14付)

悩みやいじめアンケート
「誰にも相談しない」と回答した子どもの割合の推移(クリックすると拡大表示されます)

 札幌市教委は、4年度悩みやいじめに関するアンケート調査の分析結果をまとめた。「今の学年になってから、いじめられたことがある」と答えた児童生徒の割合は、前年度より0・3ポイント増の10・8%となった。自分がいじめられたら「誰にも相談しない」とした児童生徒の理由として「家族に心配をかけたくない」「自分で解決したい」「相談しても改善が期待できない」が高い傾向を示していたことから、市教委は相談体制の充実などが重要としている。

 調査は、児童生徒の実態や各校の取組状況をより適切に把握し、いじめ早期発見、対処の取組に資することを目的に平成18年度から実施している。

 市内の小・中・高校、特別支援学校計312校の児童生徒13万9709人を対象に、昨年11月に調査用紙の配布、回収を行った。調査用紙を提出したのは13万4332人で、回収率は96・2%だった。

 「今の学年になってから、いじめられたことはあるか」との設問に対し「ある」と回答したのは全学年合わせて1万4538人。割合は10・8%で、前年度より0・3ポイント上昇した。

 内訳をみると、小学校低学年が23・5%で最高。学年が上がるごとに減少し、高校3年生の0・5%が最低となっている。

 市教委は、発達段階が上がるにつれ、いじめにあっていても素直に打ち明けられないこと、いじめに対する概念や解釈が変わる可能性が考えられると分析。いじめは誰にでも起こり得るという認識に立ち「“ある”と回答していない児童生徒も含めた日常の丁寧な見守りと状況把握が大切」としている。

 「ある」と回答した児童生徒にいじめの内容を尋ねた設問では、小・中学校では「悪口」が最高となり、小学校で48・1%、中学校で60・6%だった。高校は、悪口(48・5%)に加え「仲間はずれや無視」も48・5%と高い傾向を示した。

 また「今もいじめられているか」との設問に対し「いじめられている」と回答したのは37・0%の5379人。全ての校種で一定程度いることから、市教委は継続した対応と見守り、解消に向けた取組の重要性を示している。

 「自分がいじめられたら、誰に相談するか」の設問では、小・中学校では「家族」が最高で、小学校で79・7%、中学校で63・9%となった。一方、高校では「友達」(68・8%)が最高。学年が上がるごとに「学校の先生」「家族」への相談が減少し「友達」が増加している。

 「誰にも相談しない」と回答したのは小学校5・9%、中学校10・6%、高校5・9%。平成26年度からの推移をみるといずれも低下傾向にある。

 相談しない理由について聞き取り調査をした結果、「家族に心配をかけたくない」(小学校20%、中学校16%、高校11%)、「自分で解決したい」(小学校32%、中学校35%、高校39%)が高い傾向を示した。また「相談しても改善が期待できない」が小学校6%、中学校12%、高校21%と校種が上がるにつれて増加している。

 誰に相談すべきか分からないという児童生徒も一定数いることから、市教委は「相談窓口周知カード」などを通して具体的な相談先を紹介していく考え。

(札幌市 2023-04-14付)

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