体育館の断熱性確保へ文科省　空調整備の財政支援強化　７年度まで　自治体に対策要請

（国 2023-04-20付）

　文部科学省は５～７年度の３年間、屋内運動場における空調設備整備を補助する交付金の算定割合をこれまでの３分の１から２分の１へと引き上げる。断熱性が確保されている建物が要件だが、断熱性のない建物で断熱性確保の工事を併せて実施する場合も対象となる。

　学校体育館は災害発生時に地域の避難所として利用されているものの、既存体育館の多くで断熱性が確保されておらず、冷暖房効率の低さが課題となっている。

　国は２０５０年のカーボンニュートラル実現を見据え、学校施設のＺＥＢ化（高断熱化、高効率化、日射遮蔽、自然エネルギー利用によって一次エネルギーの年間収支ゼロを目指す建築物）を進める方針を示している。

　同交付金による補助対象は公立の幼稚園、小・中学校、特別支援学校の空調の新設・更新で、工事費の下限額は４００万円、上限額は４０００万円。普通教室や特別教室における空調整備の補助率は従来どおり３分の１のままとなる。

　文科省は支援制度の概要とともに断熱性確保工事の具体例、検討時の留意事項や設計事例をホームページに公開した。

　体育館本体の建て替えや全面的な改修工事に併せて空調を設置するなど、各自治体に対策の検討を呼びかけている。

(国 2023-04-20付)