士幌町 5年度教育行政執行方針 幼小中高連携教育へ 部活動地域移行で組織整備(市町村 2023-04-24付)
士幌町教委・土屋仁志教育長
【帯広発】士幌町教委の土屋仁志教育長は5年度教育行政執行方針において、本年度から小・中学校連携を中核とした「士幌町幼・小・中・高連携教育」を推進する意向を示した。また、部活動の地域移行については、関係機関との連携を図り、地域の実態を踏まえた組織づくりなどを推進する。
執行方針の概要はつぎのとおり。
▼基礎・基本を身に付けた確かな学力の育成
▽学力向上
全国学力・学習状況調査等の各種検査結果を検証・分析し、具体的な改善策に結び付ける系統的で継続的な取組を全校体制で行うとともに、学校間で情報を交流・共有することによって町内全体の学力の向上を目指す。
各学校では、子どもたちの学力向上に向けて、学校改善プランに授業改善を中心とした組織的な校内研修の充実やICTの効果的な活用を図った指導などを具体的に位置付け、取り組んでいくことを支援する。
士幌町立小学校における学級編制等に関する規則により、町費負担による臨時教諭を配置することで低学年の少人数学級編制等を実施し、個に応じた指導の充実を推進する。
必要に応じて臨時教諭、時間講師、支援員を、医療的ケアが必要な児童生徒が就学する学校には看護師の配置を行う。
▽外国語教育
引き続き3人体制の外国語指導助手(ALT)派遣や小・中学校連携等により、児童生徒の外国語に対する興味・関心を高めて「聞くこと・話すこと」などの外国語能力の一層の向上を図る。
▽特別支援教育
校内連携会議や特別支援教育コーディネーターを中心に、全職員による特別支援教育の推進体制の充実を図るほか、特別支援教育支援員を要所に配置して、子ども一人ひとりの能力や可能性を伸長するきめ細かな指導・支援に努める。
教育委員会、学校、こども園、保育所等の関係機関の連携組織である「士幌町子育て支援連携協議会」で協議し、特別な教育的支援が必要な子ども一人ひとりに乳幼児期から学校卒業後まで一貫した支援を推進する。
▽ICT活用
教科指導におけるICTの活用、児童生徒の情報活用能力の育成、校務の情報化・効率化の3つの側面を通して教育の質の向上を目指すため、ICT環境等の整備を計画的に進める。
ICTの積極的・有効的な活用を通して、個別最適な学びと協働的な学びの充実を図り、多様な子どもたちの可能性を引き出し、新しい時代に必要な資質や能力の育成を一層推進する。
▽学習サポート
長期休業中の学習サポートは、年を経るごとに内容が充実し、支援体制や家庭との連携の部分でも着実に成果を上げており、今後も全ての小・中学校において、基礎・基本の定着や自ら学習に臨む態度の育成等を目指し、さらに効果の上がる取組にする。
教育委員会が平成26年3月から開始した北海道大学の学生による「学習サポート塾」には多くの小中学生が参加し、学習のみならず、読書や運動等を通して、大学生と楽しく学ぶ機会となっており、今後もさらに充実を図りながら継続する。
▼優しさと思いやりのある豊かな心の育成
▽いじめ防止対策
全ての子どもたちが「いかなる理由があろうと、絶対に許さない」という強い認識を持ち、児童生徒が主体的に未然防止に取り組む学校風土を醸成するとともに、教職員が積極的に早期発見・早期解消に取り組む学校づくりを支援する。
各学校においては必要に応じて「いじめ防止基本方針」の見直しを行うとともに、保護者や地域への説明などで理解と連携を図り、組織的・積極的ないじめ防止対策を推進するよう努める。
▼健康とたくましい体力の育成
▽体力向上
全国体力・運動能力、運動習慣等調査の結果を検証・分析し、学校課題に対する具体的な改善策に結び付ける取組を行うとともに、学校間で情報を交流・共有することによって町内全体の体力・運動能力の向上を目指す。
各学校では、子どもたちの運動の日常化の取組の実践と新体力テストの全学年実施や複数回実施を推進する。
▽スポーツ少年団活動・部活動
部活動の地域移行については、関係機関との連携を図り、地域の実態を踏まえた組織づくりなどを推進する。
▼大地くんと学ぼう
本町の特色ある教育の一つである、食農体験学習「大地くんと学ぼう」は、地元で生産される農畜産物などを利用した食品加工体験を通して、地域の産業や食に関する学びなど、管内的にも注目される取組であり、農畜産物加工研修施設「しほろキッチン」の有効活用や学習内容の充実を図るなど継続して実施する。
▼高校
士幌高校の農業教育の実践は、望ましい勤労観や職業観を育むとともに、修学支援制度や海外文化交流事業などを活用し、農業の魅力を伝え地域を支える産業人育成のために大きな役割を果たしている。
今後も、同校の特色ある活動や教育の成果、学校の魅力を広く発信することにより、より多くの皆さんの同校に対する興味・関心を高めて、入学希望者の増加につなげる。
▼学びをつなぐ学校づくりの実現
学校教育が、保護者や地域住民の期待に応え、子どもたち一人ひとりの資質・能力を最大限に伸ばすためには、認定こども園・小学校・中学校・高校の各学校段階間の連携・接続を図りながら、管理職がリーダーシップを発揮して学校運営に当たるとともに、教職員がそれぞれの力を発揮できる環境づくりが重要であり、本年度から小・中学校連携を中核とした「幼・小・中・高連携教育」を推進する。
▼生涯教育・学習機会の充実
家庭教育については、インターネットやスマートフォンの普及などの社会環境や共働き家庭の増加など家庭環境の変化によって、子どもを取り巻く環境が大きく変化している中で、新たな課題が発生している。
教育を考える集いやインターネットの講座などの学習機会の提供を行い、家庭教育の充実を図る。
(市町村 2023-04-24付)
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