新しいかたちの学び授業力向上事業　帯広市　全小学校連携校に　音更町は学習ｅポータル選定等

（市町村 2023-04-24付）

　【帯広発】道教委が本年度から始動した「新しいかたちの学びの授業力向上推進事業」において、十勝管内では帯広市と音更町で推進教員が配置されている。帯広市では、市内小学校・義務教育学校全校を連携校とし、教職員対象のオンライン研修やチーム・ティーチング（ＴＴ）による授業改善に取り組み、市内教育のボトムアップを図る。音更町ではＭＥＸＣＢＴを活用した家庭学習の推進に向けて学習ｅポータルの選定を進めるほか、推進教員が連携校４校を巡回する。

　事業は“子どもたちの未来を拓く”学びのトランスフォーメーション推進事業の一環。国語、算数・数学、ＩＣＴの各分野で豊富な経験と高い専門性を有する推進教員を小・中学校に配置し、配置校や域内の連携校を巡回する。１人１台端末を活用した「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」「家庭学習の充実」を事業の重点に置いている。

　管内では、帯広市に３人、音更町に２人の推進教員が配置されている。

　帯広市は、小学校および義務教育学校全２６校を連携校に指定。国語および算数におけるＩＣＴを活用した授業改善や評価などに関して、推進教員によるオンライン研修を１学期中に全３回実施する。２学期以降は、初任者への支援や学校の要望に応じて推進教員が各校を巡回し、ＴＴによる授業改善を進める。

　また、前年度に引き続き、道教委によるオンライン版チャレンジテストの全校実施を予定している。配置校３校においては、ＩＣＴを活用した家庭学習の推進にも取り組む見通し。

　市教委は「推進教員の配置校で授業改善を進め、地域全体に広げていきたい」と話している。

　音更町では、駒場小学校、緑陽台小学校、東士狩小学校、下音更小学校の４校を連携校に指定した。推進教員２人が国語と算数をそれぞれ受け持ち、週１回程の巡回でＴＴによる授業改善を図る。

　推進教員の配置校２校では、道教委が実施するオンライン版チャレンジテストを初めて行うため、推進教員が主導して取り組む予定。

　また、ＭＥＸＣＢＴを活用した家庭学習を推進するため、民間企業が提供する学習ｅポータルの選定を進める。町教委や学校管理職、町教育研究所員らで構成するＩＣＴ教育推進チームが、使いやすさやデータの蓄積等の観点から協議し、２学期以降の活用を目指す。

　町教委は「町として“授業改善”から一歩進んだ“授業改革”を目指している」「子どもたちが自ら学習方法を学ぶような環境整備の一助として、事業を推進できたら」と話している。

(市町村 2023-04-24付)