函館えさん小　道教大と共同研究　児童の姿勢改善へ体操　授業内外で縄跳び等体力向上

（市町村 2023-04-26付）

　【函館発】児童の体力・運動能力向上に向け、函館市立えさん小学校（長浦紀華校長）は本年度、運動習慣や正しい姿勢を定着化する取組を学校独自で始めた。体操や縄跳び、マラソンの授業内外における活動に加え、道教育大学札幌校との共同研究で児童の姿勢解析に着手。筋肉との関係性に基づく効果的な体操として「えさん小体操」を開発し、全学年で毎日取り組むこととした。今後は、家庭や地域への啓発を目的とした「健康セミナー」を開き、姿勢改善への理解を促進してもらうなど、取組の定着化を図っていく方針だ。

　同校では本年度、校務分掌を見直し「知・徳・体」の各プロジェクトを設置。全国学力・学習状況調査と全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果に基づき、児童の学力や自己肯定感、体力向上に向けた教育活動の充実を目指している。

　うち体力向上プロジェクトでは、担当の教職員らが児童の体力や運動能力に関する実態を分析。４年度、同校の全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果では、小５男子の持久力やスピードに加え、女子では瞬発力や巧緻性に課題が見られたという。

　こうした課題を踏まえ、前年度後半から、新体力テストの全学年実施、縄跳び、マラソンを体育科の授業以外で取り組み始めた。

　冬期間は「学年×１００回」の縄跳びに毎日取り組んできたが、５月からは晴天時の昼休みにはマラソン、雨天時には縄跳びを毎日行うこととし、児童が心身共に成長する過程を支援していく。

　また、道教育大札幌校との共同研究にも着手。学校生活における児童の姿勢に一定の課題が見られたことから、前年度末、神林勲教授と新さっぽろ病院の理学療法士、石橋勇司氏の監修のもと、児童全員の姿勢を解析し、改善に向けた「えさん小体操」（２次元バーコード）を開発した。体操は体育の授業で取り入れたり、帰りの会で取り組んだりしている。

　今後は、同大と定期的に児童の姿勢を解析し、体操の効果を検証するとともに、児童の変容を踏まえ、内容の改善を図っていく方針。

　きょう２６日には、地域や家庭への理解に向け「姿勢と体力向上」をテーマとしたセミナーを開催するなど、啓発活動も行う。

　長浦校長は「継続的な取組によって運動習慣が形成され、児童の体力と自信が増すことにつながれば」と期待を寄せている。

(市町村 2023-04-26付)