南ひやま学教育旅行向けＰＧもとに

（市町村 2023-05-18付）

寿都中と江差高の遠隔交流

　【函館、小樽発】江差高校（古谷尚校長）の２年生と研修旅行で江差町に訪れる寿都町立寿都中学校（五十嵐邦春校長）の１年生が１５日、オンラインで交流した。高校生が地域学で開発した教育旅行向けプログラムをもとに、地域探究学習の心得や地域の魅力を発信するための効果的な方法を説明。中学生は地域との関わり方を高校生から教わるとともに、高校生は取組の振り返りや表現の工夫について理解を深める機会とした。

　江差高は前年度から独自の地域学・南ひやま学を展開。活動では、地域人材と触れ合う中で、町を訪れる学校に提供可能な３つの教育プログラムを開発した。町の民謡「江差追分」を題材に、クイズを交えてかもめ島の魅力や地域の歴史・文化を知ることができるガイドウオークやカニ釣り、動植物観察などの体験プログラム、シーグラスを使ったアート体験など、来訪者がかもめ島の魅力を満喫できる内容となっている。

　寿都中の１年生１９人は１９日、研修旅行で江差町のかもめ島を訪れ、マリンピングを体験する。今回、活動内容を理解することや今後の地域探究学習に役立てるため、高校生が企画した体験プログラムについて話を聞く機会を設定した。

　江差高の２年生６人は３つのプログラムについて「江差追分は町の出身者にとって身近な唄で、全国大会が開かれるほど。ガイド中にクイズをいくつか織り交ぜて楽しめるように工夫している」「江差の伝統や文化を一つでも多く知ってもらえるような内容を心がけて考案した」などプラン作成の意図やこだわりを発表。

　高校生の取組を聞いた中学生は「多様なプログラムがあって楽しめる上、海を守る意識が身に付きそう」「私たちも寿都町の体験プログラムを作っていきたい」と感想を。高校生は「寿都町は海沿いの町で互いに風土が似ていると思う」とアドバイスするなど活発に交流した。

　また、研修旅行を前にした中学生が「お薦めの食事場所はどこですか」「有名な和菓子店で買うとしたらどのメニューが良いですか」と質問する場面もあり、互いに親睦を深め合った。

　江差高２年の野崎大和さんは「管外中学生との交流は初めて。聞き手にとって明るい雰囲気になるよう意識して説明した。自分たちの取組を参考にしてもらえればうれしい」となど話した。

(市町村 2023-05-18付)