弟子屈町 5年度教育行政方針 高校で給食無償提供 支える会主導でCS導入
(市町村 2023-05-22付)

弟子屈町教育長岩原勝行
岩原教育長

 【釧路発】弟子屈町教委の岩原勝行教育長は5年度教育行政方針において、弟子屈高校の給食を希望者に無償提供することで高校のさらなる魅力化・保護者負担軽減に努めていくこととした。

 このほか、弟子屈高において「弟子屈高校の教育を支える会」が主導し、地域が一体となって学校を支えるコミュニティ・スクールを導入していく。

 教育行政方針の概要はつぎのとおり。

▼生きる力を育む学校教育の充実

▽信頼される学校づくりの推進

 ホームページや学校便りを通じて、教育活動の成果を保護者や地域住民に発信するとともに、コミュニティ・スクールの活性化に向けた「弟子屈町地域学校協働本部」をはじめとする関係機関との連携を充実させ、学校と地域社会が力を合わせながら子どもの成長を支えていく。

▽確かな学力のかん養と情報化教育の強化

 全国学力・学習状況調査や町学力調査の分析結果をもとに、児童生徒の学習状況の把握と授業改善を図り、学力向上に向けたロードマップを策定しPDCAサイクルを確立する。

 このほか、玉川大学の協力のもと小学生を対象にしたアクティビティーを実施し、外国語教育の充実とコミュニケーション能力の育成に努める。

▽ふるさと学習の推進

 小・中・高校が連携し、地域を学びのフィールドとした探究的な学びの一体的な充実を図るため、小学校から高校までの「ふるさと学習」を系統性の視点から見直し、扱う学習内容を意図的・計画的に設定し取り組むことを支援していく。

 小・中学校に設置されているコミュニティ・スクールにおいても、学校の応援団として本町の基幹産業である農業や観光産業、自然環境を中心に関係機関・団体などとの連携をさらに強化。各学校の特色ある取組を支援する。

 また、姉妹都市・日置市との中学生交流事業は、盟約40周年を迎える。今夏の受け入れに当たっても、両市町の中学生にとって未来へ続くかけがえのない取組となるよう進めていく。

▽特別支援教育の充実

 「町特別支援教育推進会議」を通して各学校の特別支援教育コーディネーターとの定期的な情報共有や、町こども発達支援センター・保育園・認定こども園ましゅうなど、関係機関との連携を強化し特別支援教育の充実を図る。

 併せて、道立特別支援学校による「パートナーティーチャー制度」などの活用や特別支援教育支援員を適切に配置するなど、支援体制の拡充に努めていく。

▽高等学校への支援

 道教委の公立高校配置計画において、弟子屈高校は生徒数の減少によって本年度から地域連携校となる。このため、町・町議会・経済団体・学校関係団体などで組織される「弟子屈高校の教育を支える会」が主導し、地域が一体となって学校を支えるコミュニティ・スクールを導入する予定。これに伴い、小・中学校でのふるさと学習を推進していくコーディネーターの高校派遣など地域とも有機的なつながりを深めていく。

 また、本年度から希望者を対象に給食の無償提供を実施しさらなる高校の魅力化につなげていく。

 このほか、5年目となる公営塾についても高校との連携をさらに深め、「弟子屈高校でも大学進学や公務員就職などを果たせる学習環境」として継続する。

▽教職員のスキルアップと働き方改革の推進

 教育のICT化に対応した研修や小・中学校の自主公開研究会の開催、玉川大学との連携による教員の英語指導力向上研修の継続など教職員の資質向上に努めていく。

 教職員における働き方改革についても、定時退勤日の設定や日常業務の見直しをさらに進め、勤務時間外の在校時間の縮減に努めていく。

 中学校部活動の地域移行について、スポーツ少年団をはじめ学校や関係機関、保護者との議論を重ね、部活動が地域にスムーズに移行できるよう努める。

▼学校教育環境の充実

▽通学体制の確保

 通学路における安全対策については、警察や学校、道路管理者など関係機関と合同で通学路点検を実施。これに伴い歩行者用信号機を新たに2ヵ所に設置するなど今後もさらなる安全・安心な通学路となるよう努めていく。

▽保護者負担の軽減

 学校給食の無償提供を引き続き実施するとともに、新入学児童祝い品の拡充を進める。また、大学などに進学する生徒のための奨学金については、返済免除の制度導入に向け検討していく。

(市町村 2023-05-22付)

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