えりも町 幼小接続円滑化推進会議 知・徳・体の目標設定 0~18歳見据えた教育推進(市町村 2023-05-26付)
えりも町幼小接続円滑化会議
【苫小牧発】えりも町教委は22日、町役場とオンラインで5年度第1回幼小接続円滑化推進会議を開き、本年度の計画や目指す子ども像などを確認した。川上松美教育長は「0~18歳のえりも型子育てを進めていく」としたほか、目標とする資質・能力を①知識・技能②思考力・判断力・表現力③学びに向かう力・人間性等―の3つの項目それぞれに知育・徳育・体育の3つの観点から設定し、幼児教育施設・小・中・高校にふさわしい子育てプログラム素案を示した。
文部科学省が4年度からスタートした「幼保小の架け橋プログラムに関する調査研究事業」で、道が全国19自治体のモデル地域に選ばれ、道教委は「北海道版幼児教育スタートプログラム」の指定地域にえりも町を指定した。4年度の指定地域は全道でえりも町のみ。
えりも町は、4年度から3年間で「架け橋期のプログラム」の開発を推進。年長期の年間計画やスタートカリキュラムなどについて研究を進めている。
この日の会議には、町内4小学校の校長をはじめ、PTA、幼稚園・保育所、町保健福祉課・町民生活課、道教委幼児教育推進センター、日高教育局などから約20人が対面・オンラインのハイブリッドで参加した。
えりも町教委の川上松美教育長があいさつ。「町ではこれまでも中高一貫教育や小中高の連携・接続を進めてきたが、幼児教育は生涯にわたる人格形成等の基礎となる時期であり、幼児期と小学校入学時の接続を進めていく」とし「0歳から18歳までを対象としたえりも型子育てを進めていきたい」と意欲を示した。
続いて、川上教育長が本年度の年間計画を説明。カリキュラム検討会議をこの日と8月、6年1月の3回、ワーキンググループ会議を今月30日と7月、10月、12月、6年2月、3月の計6回開催し、幼保小が実践しながら架け橋期のプログラム等を開発していくことを述べた。
続いて、目指す子ども像や目標とする資質・能力等を確認。①知識・技能②思考力・判断力・表現力等③学びに向かう力・人間性等―の3つの項目それぞれに知育・徳育・体育の観点から目標を掲げたことについて川上教育長は「教科だけではなく知・徳・体それぞれの資質・能力の基礎を培う」などと述べた。
また、目指す資質・能力を育むための重点教育活動案を提示。各小・中・高校、幼児教育施設が取り組む事項を具体的に示し「教育改革の大きな節目として関係者が力を合わせて進めていきたい」と述べた。
協議のあと、幼児教育推進センターの田口範人センター長らが指導助言。田口氏は「町を挙げての取組に感謝する。資質・能力ベースでの幼児から高校までの計画は素晴らしい」とたたえた。
また要望として「カリキュラムの素案が詳細に記されているが、こうしたものは書類整理に注力するあまり難しい書類になりがち。現場の先生がついてこられない、理解しづらいということのないよう、極力分かりやすいカリキュラム作りを」「作りながら実践し、分かったことや先生方の工夫をその都度生かしてほしい」「体制づくりにおいては、ざっくばらんに話し合える関係づくりが非常に重要。そういう関係ができれば、事業が終わったあとも持続的に連携が進んでいく」「幼小連携は大きな意味を持つが、カリキュラムベースでの連携が本道全体の課題。ぜひ皆さんの力をお借りしたい」などと述べた。
また、藤女子大学の吾田富士子教授は「思いやりのある子、たくましい子がよく求められるが、同時に困ったときに助けを求める力、頼り合える人間関係が大切」「子どもは安心でき、自分の居場所があり、自分らしさを発揮できる場があれば伸びていける。こうした土台を幼児期に築いてほしい」などと述べた。
(市町村 2023-05-26付)
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