オール檜山学び合いプロジェクト 2管内の指導改善へ 体育専科教員が効果的実践紹介(道・道教委 2023-05-26付)
オール檜山学び合いプロジェクト
【函館・小樽発】檜山教育局は15日、独自のオンライン研修事業「オール檜山学び合いプロジェクト」を実施した。今回は後志教育局が同事業を活用し、体育・保健体育に関する研修を企画。異なる管内の小学校教職員が体育エキスパート教員の効果的な実践を確認し、体力向上に向けた今後の指導改善に役立てた。
本年度1回目の実施となった今回は「小学校体育科における指導の工夫」をテーマに、小学校体育エキスパート教員を務める厚沢部町立厚沢部小学校の山本貴幸教諭が走の運動に関する工夫を解説。管内の小学校教員約20人のほか、全国体力・運動能力、運動習慣等調査で例年成果を上げている檜山管内の実践を確認しようと、後志管内の小学校教員約20人が参加した。
講座で山本教諭は、自身が心がけている単元計画のポイントを説明。各分野における運動の機能特性と各学年の系統性を意識した計画を推奨し、単位時間では単元で扱う種目に応じた準備運動に取り組み、定期的かつ継続的な見通しを持った運動能力の向上を図る必要性を強調した。
走の運動に関する具体的な指導では「腕を振らずに走ることで腕の振りの重要性が分かる」「スタンディングスタートの良さが分かるように直立姿勢からのスタートを経験させてみる」など多様なバリエーションを取り入れた運動を紹介。特に低学年児童においては、正しい姿勢を身に付けさせる必要性を指摘した。
このほか、コーナーを配置し、決められた歩幅で走るマーカー走やスキップ、新聞紙を丸めて作った棒などの小道具を活用し、棒が倒れる前に走って取らせる運動など、授業内で取り入れると効果的なものを実際の動作を示しながら説明した。
質疑応答で後志管内の教員からは「児童が楽しんで取り組めそうな実技を見せていただけてありがたかった」などとチャットへ感謝の言葉が寄せられた。
今回、後志局は「小・中学校における体育・保健体育の充実に向けて」をテーマに独自に檜山局のプロジェクトを活用した研修を企画。山本教諭の解説後は、管内で小学校体育エキスパート教員を務める岩内町立岩内西小学校の千葉康夫教諭による2つ目の講座を開講し、走・投・跳の各分野に特化した効果的な準備運動について動画資料で実践を共有。参加者は指導力に定評がある2人の実践を確認し、指導工夫改善に向けたヒントを得た。
他管内との合同研修について後志局義務教育指導班の渡辺心指導主事は「これまで他管内の講座に参加するとなると、移動だけでも大変だった」とし「オンラインの特性を生かし、空間を飛び越えて学びの機会を得られることは大変魅力的」と講評。檜山局義務教育指導班の上野曉彦指導主事は「檜山の実践や教職員のつながりが普及すればうれしい」と期待を寄せた。
(道・道教委 2023-05-26付)
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