札幌本町小　社会科で低地の生活　水害への備えが大切　海津市防災担当者と対談

（札幌市 2023-06-23付）

札幌本町小社会科で低地の生活

　札幌市立本町小学校（井田敦校長）は７日、５年生社会科の一環で、岐阜県海津市の防災担当者に対してオンラインでインタビューした。児童たちは「輪中堤ができる前の対策」「地域の特徴を生かしたイベント」など、次々と質問。堤防に囲まれた輪中に住む人たちの実際の暮らしや工夫、水害への備えを学び、単元への理解を一層深めた。

　５年生社会科では、単元「私たちの国土」において「高い土地のくらし」「低い土地のくらし」を選択して学習する。同校では、低い土地を選択し、岐阜県海津市の輪中に関する学習を進めている。

　単元の１時間目、輪中に住む人々の生活に興味を抱いた児童が「直接、海津市の人から話を聞くことができないか」と発言。井田校長と５年生担任は「児童たちの興味・関心や主体的な学びを支え、学習に広がりを持たせたい」と考え、海津市防災危機管理室の兒玉靖室長に講話を依頼した。

　オンラインで児童と対面した兒玉室長は、海津市を上空から見た動画を提示したあと、児童たちの質問に回答する形式で臨んだ。

　児童たちは「どうして水害の多い地域に住もうと思ったの？」「海津市の土地の利用は？」「輪中堤ができる前の対策は？」「地域の特徴を生かしたイベントは？」など、前時までの学習で抱いた疑問を次々と投げかけた。

　兒玉室長は「平地が多く作物がよく採れる」「面積の約３割が水田や畑に利用されている」「水屋を建てたり、構造物の切れ目に畳を差し込んだ“畳堤”を築いたりして水害から防いでいた。今は増水時に鉄製ゲートでふさぐ陸閘（りくこう）が多く整備されている」「輪中内の川でボートの世界大会を開催したり、池をヨットの練習場として活用したりしている」などと回答した。

　また、国土交通省の河川水位情報や気象庁の危険度分布「キキクル」などを活用し、水害情報の迅速な収集、住民への周知に努めていることを説明。水防演習などで日常的な備えを万全にしていることを示し「地域が一体となって水害から身を守ることが大切」と呼びかけた。

　児童たちは、地域の生の声に真剣に耳を傾け、メモを取った。

(札幌市 2023-06-23付)