札幌市教委　英語教育改善プラン　ＡＬＴ軸に参考資料作成　全小学校に学習ソフトウエア

（札幌市 2023-06-27付）

　札幌市教委は、５年度英語教育改善プランをまとめた。重点は「ＡＬＴや外部人材、デジタル教科書等を効果的に活用し、児童生徒一人ひとりが、授業内外において主体的に英語で伝え合うことのできる多様な学びの充実を図る」。ＡＬＴの活用を軸とした参考資料の作成に取り組むほか、新たに外国語学習ソフトウエアを全小学校に導入する。

　国の教育振興基本計画に基づき、全都道府県、政令指定都市が毎年作成しているもの。

　市では、小・中・高校の学習指導要領の理念の実現に向け、市の児童生徒が主体的に英語を用いてコミュニケーションを図る資質・能力を育成することを目的に、具体的な取組を推進している。

　英語教育実施状況調査結果を踏まえ、本年度の重点は「ＡＬＴや外部人材、デジタル教科書等を効果的に活用し、児童生徒一人ひとりが、授業内外において主体的に英語で伝え合うことのできる多様な学びの充実を図る」と設定。

　具体的な取組として①重点の促進を図る参考事例の作成・周知②デジタル教科書・教材等を活用した学びのＤＸ③外国語活動・外国語科における言語活動の機会の創出④客観的な英語力の伸びを実感する英検ＩＢＡ（ＲＬ）の実施⑤教師の指導力・英語力の向上を図るパワーアップ研修等の実施・周知⑥小学校教員の新規採用や英語指導に係る人材の把握等―の６点を盛り込んだ。

　①では、前年度に引き続き英語教育改善プラン会議を設置。「ＡＬＴと共につくる子どもが主体的に英語で伝え合う授業づくり」「ＡＬＴや外部人材を効果的に活用した授業外の交流場面の創出」「子どもの多様な学びを支えるＡＬＴやソフトウエア等の活用」の３点を視点に、ＡＬＴの活用を軸とした参考資料の作成に取り組む。

　②では、新たに授業外での活用が可能な外国語学習ソフトウエア「Ｓｐｅａｋｉｎｇ　Ｑｕｅｓｔ」を全小学校に導入。２学期以降の活用開始を予定している。

　③では、外国人留学生等による国際交流、姉妹都市との学校間オンライン交流など、多文化共生社会を見据えて世界の人々の多様な生活や文化、価値観等に触れる言語活動を創出する。

　④では、中学校全学年を対象に英検ＩＢＡ（ＲＬ）を実施。市内の結果および分析・課題を踏まえ、各学校での指導の参考とする。

　⑤では、教育センター主催の専門研修として「外国語科～パワーアップ研修」を４回開催する。本年度の変更点として、４年度まで実施していた小学校英語専科指導教員情報交流会の内容を再編成し、パワーアップ研修の４回目に位置付けた。

　小学校英語専科指導教員は悉皆参加とした上で、専科指導教員を目指す教諭や外国語教育コーディネーターらを新たに対象に加えている。

　⑥では、小学校教員の新規採用で一定の英語力を有する教員の採用を促進するほか、新たに小学校専科指導教員の要件を満たす人材の把握および登用を行う。

　学校段階に応じて自分の考えや思いを伝え合う言語活動の充実を図り、プレゼンテーションやディベートなどにつなげていく展望だ。

(札幌市 2023-06-27付)