札幌国際情報高の工藤さん、小柴さん 事実と主張 見極める力を 好奇心で学び深め 新聞4紙分析(学校 2023-06-29付)
(左から)工藤さん、小柴さん
同じ事実でも報道内容はどう違うのか―。札幌国際情報高校(志知芳彦校長)3年の工藤悠隆さんと小柴唯愛さんは、論調、構成、表現などの違いに着目して新聞4紙を比較。各報道機関の特徴を模造紙にまとめる学習に取り組んだ。2人は「新聞には事実と伝えたい考えがある。だからこそ私たち読者は様々な角度で物事を捉え、情報を見極める力が必要」と訴える。
同校は日本新聞販売協会北海道地区本部の協力を受け、無料配布された新聞4紙を活用して社会の様々な課題を語り合う授業を展開。工藤さんと小柴さんは授業後も興味・関心を抱くテーマを選択して考察を深め、各報道機関の傾向を調査した。
経済学部への進学を志望する工藤さんは、4月に就任した植田和男日銀総裁の記事を読み比べ、各社の評価の違いを詳細に分析。背景にある金融緩和政策の知識も深めながら「現状維持を望む保守的な新聞社」「変化を求める革新的な新聞社」などに分類してみせた。
「法曹界で外国人の手助けをしたい」との思いを抱く小柴さんは、折しも国会で審議入りしていた入管難民法改正案をテーマに選択。与野党それぞれの意見の表現や専門家による意見の紹介方法にも着目するなど丁寧に読み込みながら、客観的な「事実」と新聞が伝えようとする「主張」の違いを明らかにした。
小柴さんは「深掘りすればするほど新しい発見がありとても楽しかった」と笑顔で感想を。工藤さんは「多読によって膨大な情報処理も可能であることにあらためて気付いた。様々な角度で物事を捉え、客観的な判断ができるようになれば」とメディア・リテラシーを高める必要性を強調する。
担任の依田幸子教諭は「教室の新聞を生徒たちが自主的に読んでくれることは大きな発見。経済、法律に興味を抱く2人だからこそ、楽しみながら最後までやり切ってくれたと思う」と語った。
(学校 2023-06-29付)
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