高専一貫教育を開始　栗山高と道介護福祉学校　高校設定科目で福祉のまちづくり

（学校 2023-06-26付）

　【岩見沢発】栗山高校（駒井信和校長）と栗山町立北海道介護福祉学校（悪七尚広校長）は、文部科学省委託事業「高専一貫教育プログラム」を本格的にスタートさせる。福祉・介護分野の中核的人材養成を目指すもので、公立高校と自治体運営の専門学校による実践例は全国で初めて。栗山高は本年度から学校設定科目「栗山と福祉」を必修科目に位置付け、福祉のまちづくりを学ぶ。今後、産学官で構成する魅力化コンソーシアムを設置し、教育プログラムの調査・研究を行い、町内での効果的な人材育成を図る。

　町内では、介護人材の不足が深刻な地域課題の一つ。介護人材の需給推計によると、７年度には６３人、２２年度には８９人が不足するという試算が明らかになった。

　こうした中、町は介護人材の確保に向けて「より早い時期からのキャリア意識・専門知識の習得が必要」と判断。町教委は、４年度から福祉教育を「ふるさと教育」の一翼を担う教育活動と位置付け推進している。特徴的な取組の一つに、道介護福祉学校の専任教員が町内小中高の児童生徒に対して行う「福祉」の学習指導に加え、介護福祉学校の在学生と児童生徒が体験を通して共に学ぶ「介護体験教室」等を進めている。

　こうした取組の発展的な事業展開によって、道介護福祉学校と栗山高が締結している連携協定をより強化し、４年度からの文科省委託事業を本年度から本格的にスタートする。８年度までの５ヵ年で、福祉・介護分野における地域の中核的人材の養成の取組を実証するもので、公立高校と自治体運営の専門学校による一貫教育は、全国でも初めて。

　栗山高は、本年度から学校設定科目「栗山と福祉」を必修化。１学年当たり３５時間、計１０５時間で福祉のまちづくりを学ぶ。１年次は、町の高齢化の現状と福祉の歴史を学び課題の発見と、介護や福祉に関する興味・関心を養う。２年次は、介護の基礎的な技術を学び、職業としての介護や福祉についての理解を深める。３年次は、地域社会の一員として、自らできることを考え、実践する力を身に付ける。

(学校 2023-06-26付)