帯広大空義務教育 独自に総合福祉 STEAM教育を意識 教科等横断的な学びや地域連携(学校 2023-07-06付)
表彰状を手に笑顔を見せる神下教諭(右)と上野教諭
【帯広発】帯広市立大空学園義務教育学校(村松正仁校長)の独自カリキュラム「総合福祉デザイン」では、美術・技術・情報工学をかけ合わせてSTEAM教育を意識した学習を推進している。教科等横断的な学びや地域との連携によって専門領域の知識・技能と実社会を結び付け、カリキュラム・マネジメントを体現。前年度の取組を経て、実践研究助成を支給したパナソニック教育財団から優秀賞が贈られた。
同校は前年度、パナソニック教育財団の実践研究助成等によって3Dプリンターを7台用意し、8年生総合的な学習の時間に位置付けた独自カリキュラム「総合福祉デザイン」で活用している。
地域の福祉施設利用者に向けて自助具を開発する授業を展開。ユニバーサルデザインを美術科で学び、技術科で設計した製品を、3Dプリンターを活用して製作し、実社会に生きる問題発見・解決能力の育成につなげている。
地域関係者との調整や指導案作成等は、美術科の神下朋実教諭、技術科の上野嗣弥教諭の2人が担当。「自他の個性を尊重し、地域と関わり、将来の目標や夢の実現に向け行動する子」を目指す子ども像に据える高等部(8・9年生)において「身に付けさせたい資質・能力が共有できているため、教員間の打ち合わせに時間はかからなかった」と企画段階を振り返る。
3Dプリンターの活用に関しては、成果物の製作に割く時間を短縮し、思考や交流に時間をかけ、製作物の改良にも取り組めることを利点に挙げた。美術科と技術科の2科目で知識・技能を指導することで、専門領域への知見の深化に加え、生徒たちの構想実現をかなえた。
さらに総合的な学習の時間と組み合わせ、各科目で得た学びが社会と結び付くことに実感を持たせ、一連の授業によってカリキュラム・マネジメントを具現化した。
「優しい気質と柔軟な発想力で、生徒たちが生き生きと学ぶ姿に達成感があった」と笑顔で語る両教諭。パナソニック教育財団は、学校外の機関と連携したSTEAM教育や、カリキュラムに教科を位置付けた上での授業デザインを高く評価し、同校に優秀賞を贈った。
本年度は成果発表会の実施を見据えて、新たに国語科を組み合わせる。9月ごろから、効果的なプレゼンテーション方法や相手に伝わる話し方、聞き手としての視点を国語科の授業内で学び、スライド作成にとりかかる。
村松校長は「教員間で新たな発想にたどり着く協力体制が本校の強みの一つ」と教員たちをたたえ、目指す子ども像の共有に成果を実感している。
(学校 2023-07-06付)
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