釧路湖陵高　６年度新学科設置へ　チーム体制整え準備推進　新科目「湖陵クエスト」始動

（学校 2023-07-13付）

　【釧路発】釧路湖陵高校（塙浩伸校長）は、国が進める普通科改革に対応した普通科新学科の６年度設置に向けた準備を進めている。国内外の大学、国際機関、企業等によるコンソーシアム「チーム湖陵」を設置し、生徒の多様な興味・関心に応じた教育活動を支える体制を整備したほか、本年度から先行して学科設定科目「Ｋｏｒｙｏ　Ｑｕｅｓｔ（ＫＱ）」を開設。高校卒業後の進路を見据えた特色ある教育活動を展開している。

　文部科学省は、社会に開かれた教育課程の実現とともに、地域・日本・国際社会の持続的発展に寄与する人材の育成を図るため、高校における普通科改革を進めている。

　同校は４年度から文科省の指定を受け、探究的な学習活動を重視した進学型の新しい普通科の学科設置を目指す。

　普通科５クラスを「文理探究科（仮称）」４クラスに、理数科１クラスを「理数探究科（仮称）」１クラスに転換する予定で、新学科の名称はことし秋の「公立高校配置計画」で正式決定となる見通し。

　特に「文理探究科」については、文科省が４年度から普通科において新たに設置を可能とした「学際領域に関する学科」であり、現代的な諸課題のうち「ＳＤＧｓの実現」「Ｓｏｃｉｅｔｙ５・０の到来に伴う諸課題」に対応するため、学際的・複合的な学問分野や新たな学問領域に即した最先端の特色・魅力ある学びを重点的に取り組んでいくことなどが挙げられている。同校は多様化する社会で求められる資質・能力の育成に向けて、総合的な探究の時間を軸とした領域（教科）横断的な教育課程の実現を目指す。

　これに伴い、同校では探究的な学習の持続的な運営を推進するため、コンソーシアム「チーム湖陵」を設置。コーディネーターが企画運営や連絡調整を行い、大学や企業、研究機関等がプロモーターおよびサポーターとして、出前授業や講演会のほか、探究的な学習に対する指導助言や合同研究等を実施し、生徒の多様な興味・関心に対応できるような体制構築を行っている。

　このほか、新学科の設置に先立ち、本年度から学科設定科目として「Ｋｏｒｙｏ　Ｑｕｅｓｔ（ＫＱ）」を開設した。課題の設定に向けて、生徒の興味・関心を高めたり、データ分析など探究的な学習に必要な知識や技能を学ぶことを目的としたもの。また、難関大学等の入試にも対応できる学力の質の保証の観点から、各教科での学びを探究的アプローチによって深化させる教育課程の実現を重視している。

　取組の初弾として６月中旬には、釧路市立博物館の学芸員による１学年を対象とした出前授業を実施。参加した生徒からは「豊富な専門的知識を持つ人が多くいることをあらためて知った。今後の探究課題の設定に生かしていきたい」などの声が上がった。

　塙校長は、新学科設置に向けて「生徒が様々なことを見たり聞いたり体験したりすることを通して、湖陵での学びを深め、将来の職業も見据えながら、“入れる大学”から“学びたい大学”が見つかるよう、教育活動の充実を図りたい。湖陵は進化する」との姿勢を示した。

(学校 2023-07-13付)