帯広南町中 修学旅行成果発表へ　アナログとデジタル駆使　壁新聞製作、動画編集

（学校 2023-07-13付）

南町中・発表資料づくりの工夫

　【帯広発】帯広市立南町中学校（能戸貴英校長）の３年生は、修学旅行の成果発表に向けて、壁新聞づくりと動画編集に励んでいる。１人１台端末の活用が活発化する中、同校教員は“アナログとデジタルの共存”を生徒たちに実感してもらえるよう資料作成の手法を選定。生徒たちは、自由度の高いアナログと簡易的に作業できるデジタルの、それぞれの良さを感じながら作業を進めた。

　現在の中学校３年生は、１年次から１人１台端末が導入され、ＧＩＧＡスクール構想とともに学習が進められてきた。授業中の話し合い活動や学習発表など、端末の活用場面は教職員の授業研究によって年々増えている。

　同校はこれまで、１年次の郷土学習、２年次の職場体験を通して、個人や他者との共同編集によってスライドを作成し、発表場面に活用してきた。３年次ではことし５月の３日間、修学旅行で函館市を訪問。今回は壁新聞と動画編集の２本立てで発表資料を作成した。

　資料作成には動画編集ツール・Ｃａｎｖａ　ｆｏｒ　Ｅｄｕｃａｔｉｏｎを利用。教育目的の活用であれば、フリー画像やフォント、アニメーションなどの素材が豊富な有料版のＣａｎｖａ　Ｐｒｏと同様の機能が無料で使用できるもの。小中高の教職員等を対象に申し込みを受け付けている。

　申請に当たり、３年生の学級担任の一人で技術科教員の勝瀬駿太教諭は学年団の教員たちと相談。スライドやホームページの作成等のあらゆる案が出た中で、壁新聞と動画編集に絞った背景には「アナログとデジタルの使い分けを考えられるように」という思いが込められている。

　７月上旬、発表日となる保護者参観を目前に控え、生徒たちは作業の大詰めに差しかかっていた。壁新聞づくり、動画編集、読み原稿の作成と、グループ内で役割を分担して進行。役割が異なる中で、動画内で使うフォントや壁新聞の色使いなど、困ったときは相談しながら作業を進めた。

　生徒は「動画編集だとＢＧＭやアニメーションを簡単に付けることができ、作業に時間がかからない」「壁新聞では自分好みのイラストを自由に描くことができ、一目で全てを見ることができる」と、それぞれの良さを実感した。

　勝瀬教諭は「動画編集の説明は初回１時間のみで、生徒たちは様々な機能を発見しながら楽しんで作業している」「模造紙に自らの手で書くことも、端末を活用することも、考えや思いを表現する手段の一つとして学んでほしい」と話した。

(学校 2023-07-13付)