釧路博物館職員招き出前授業　探究活動への意識高め　アイヌ文化など５分野で

（学校 2023-07-13付）

釧路湖陵・ＫＱ授業

　釧路湖陵高校は６月中旬、本年度から開設した学科設定科目「Ｋｏｒｙｏ　Ｑｕｅｓｔ（ＫＱ）」の一環として、釧路市立博物館の学芸員５人を講師に迎えた出前授業を行った。地域史や魚類・両生類など５分野に関する授業を受講した１年生は、今後取り組んでいく探究課題設定の一助として、探究活動に対する意識の啓発を図った。

　出前授業は、探究活動の目的や意義、基本的な手法について学芸員という専門的な見識や経験のある立場から、実践事例や心構えなどを直接見聞することで、探究活動に対する意欲の向上を目的としたもの。

　この日、産業、アイヌ文化、地域史、昆虫、魚類・両生類の５分野について、同館学芸員の５人が授業を実施。このうち、アイヌ文化分野では「民族共生について考える」と題し、和人とアイヌ民族の関係史やアイヌ人口割合の推移による近代社会におけるアイヌの社会的構造に関する授業を行ったほか、昆虫分野では「昆虫の分類～“目”までの分類と同定」と題し、同館に展示されていない貴重な標本を用いた授業が展開された。

　同校普通科１年生の２００人が参加。参加した生徒はあらかじめ希望した２分野の授業を受講した。分類学専攻の大学へ進学を希望しているという白井天さんは「身近に豊富な専門知識を持つ人がいることをあらためて知ることができた。探究課題の設定の際に今回の経験を生かしていきたい」と感想を述べた。

　同館の石川孝織学芸主幹は、授業中の生徒の様子について「質問の質が高く、探究への意識の高さがうかがえる」と話すとともに「今後も地域の将来を支える子どもたちの学びをサポートしていきたい」との考えを示した。

　同校は市内研究機関による特別授業や生徒が企業等へ訪問する機会を設け、探究課題の設定への一助となる取組を今後も進めていく。

(学校 2023-07-13付)