理想の教員目指して 教員基礎探究 学校実習開始 札幌北陵高生 中学校で授業指導
(学校 2023-07-14付)

高大連携教員基礎探究教育実習
授業に臨む札幌北陵高生

 道教委、道教育大学による高大連携事業「教員基礎探究」の学校実習が6月下旬、道教育大学附属札幌中学校で行われた。札幌北陵高校の3年生27人がグループに分かれ、全学年・全クラスで道徳の授業を行った。中学生たちと全力で向き合い、教員としての仕事の喜びや大変さをかみ締めた。

 道教委と道教育大は、教員志望の高校生を対象に教員としての素養や意欲を高めるプログラムを提供する「みらいの教員育成プログラム」を4年度から開始。

 初年度は札幌北陵高を拠点校として2年生がプログラムに参加した。道北圏の旭川北高校、道東圏の釧路江南高校に対象を拡大し、秋ごろにプログラムを実施する予定だ。

 札幌北陵高の生徒たちは4年度の「教員基礎」の受講者であり、道教育大附属札幌小学校において学校実習を経験済み。

 中学校で初の実習に備え、道教育大の玉井康之副学長や附属中の主幹教諭から中学校の教員としての心構えや指導案について説明を受けた。

 生徒たちは1~3学年の各クラスで道徳の授業を指導。このうち1学年の「銀色のシャープペンシル」では、友人のシャープペンシルを自分のものにしてしまった主人公の藤や行動を通し、人の弱さや醜さに向き合うことの理解や弱さの克服によって道徳的心情を育むことを目指す授業を展開した。

 はじめに高校生は「ずるい自分」が自分の心の中にいるかどうか、主人公の行動に対する感想を発問。「みんなの前では正直になれないので共感」「拾って自分のものにするのは良くないこと」などの意見を板書で整理し、共感の度合いを数直線で表現してもらった。自己を正当化してしまった主人公の気持ちや、藤を経て友人の家に歩き出した主人公の気持ちを話し合いながら、様々な視点で主人公の心情について考えを深めた。ワークシートの記載中、生徒たちは机間指導を行い、中学生の様子を丁寧に見取った。

 授業後は反省会を実施。「具体的で明確な指示ができればもっと上手に関われたのではないか」「こちらの求めている回答に寄せて発問してしまった。相づちや応答も先生のように上手にできれば」など、より良い授業づくりに向けて意見を交わした。

 中学校の部活動顧問に憧れて教員を志望する3年生の前田涼太さんは「想定外の答えがあり、スムーズに進めようと焦ってしまったのが改善点。つぎの授業で生かしたい」と感想を。「高校生のうちに教育実習に参加できるのは貴重な経験。教育大の受験を目指して頑張りたい」と話した。

(学校 2023-07-14付)

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