附属函館中と函館中部高が連携学習 高校生の表現技法学ぶ 英語でSSH研究発表等通し(学校 2023-07-20付)
連携授業に臨む生徒たち
【函館発】道教育大学附属函館中学校(中村吉秀校長)と函館中部高校(清水信彦校長)は、英語科の授業で教科等横断的な学びを取り入れた中高連携学習を進めている。函館中部高がスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の調査研究で培った表現技法を中学校英語科の学習に生かす授業を実践。英会話で調査研究発表を経験した高校生からプレゼンテーションの構成や表現技法を学ぶ場を設けることで、中学生の「話すこと」領域における目標達成につなげている。
附属函館中では、総合的な学習の時間に渡島管内の自然環境や生態系に関する課題研究を実施。教科等横断的な学習の一環として今後、英語科の授業で生徒が提案内容を発表する授業を企画している。
函館中部高の2年生が取り組む学校設定科目「SS特講Ⅱ」では、国際的に活躍できる人材育成を目指し、生徒が地域の環境調査研究を英語で発表。
研究開発したプログラムは学識経験者や学校外に広げる実践を進めているため、中学生の英語コミュニケーション能力向上に向けた目的と合わせて、今回初めて連携授業を実施した。
10日、附属函館中の3年生101人を対象に行われた英語では「英語でプレゼンテーションする方法を理解する」を本時の目標に設定。函館中部高の木村圭祐教諭はプレゼンテーションの構成として①イントロダクション(話す内容)②プロブレム(課題)③ソリューション(提案)④サマリー(今後の方針)―の4点を説明した。
各構成で必要な「First」「Next」の話の流れを表す語句や、グラフや写真を示す際に扱う「As you can see~」「The data indicates that~」などの表現技法を教示。前年度、英語でSSHの調査研究発表を行った函館中部高3年の守田天地さん、石岡裕嵩さん、棟方令朗さんが南茅部産のコンブからヨウ素を検出するプログラムをプレゼンテーションし、手本を示した。
学習内容の実践では、中学生が動物被害や環境問題に関する内容の英文を扱う単元を友人同士でプレゼンテーション。高校生が間に入り「こうした表現技法を使ってみると興味を引き付けやすい」などとアドバイスした。
授業は前年度管内の高校で英語科を指導していた佐々木ちひろ教諭(附属函館中)の縁で実現した。中学生は高校生によるアドバイスを踏まえ、総合的な学習の時間に取り組んだ課題研究を英語科の授業で再構成。プレゼンテーション作成などの準備に取り組むとしている。
高校英語の一端に触れた川上将真さんは「英会話の流れがつかみやすい学習だった。高校生の発表に近づくのは難しいかもしれないが、頑張って挑戦したい」と学習意欲が高まった様子。
中学生を助言した函館中部高の守田天地さんは「自分たちの経験を中学生の学習に役立てるだけではなく、外部への発信機会は自身の研究を深めることができるため、双方にとってメリットが大きい」と振り返った。
(学校 2023-07-20付)
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