道科学大高 生徒体験DAY 当たり前問い直す機会に 生徒の立場で6時間授業
(学校 2023-07-20付)

道科学大高生徒体験DAY上
物理の授業

 北海道科学大学高校(橋本達也校長)は6月下旬、教員研修「生徒体験DAY」を開催した。全生徒を家庭学習日とし、全教職員および管理職が生徒の立場で6時間授業を受講する初の試み。研修を担当した煮雪亮教諭は「リアルな生徒の一日を体験することで、教員としての当たり前を問い直す一つの契機となった」と述べ、今後のより良い教育活動の展開に手応えを口にした。

 同校の教員研修はこれまで、外部講師を招いての講演会や授業研究に取り組むなど、一定の成果を上げてきた。一方で「生徒の一日の動きを把握することが難しい」「生徒目線に立った授業力向上が必要」とする声も上がっていた。

 このため、平日1日を全生徒の家庭学習日と設定し、全教職員および管理職が2クラスに分かれて6時間授業を受ける「生徒体験DAY」を初めて企画した。

 教職員は、生徒と同様、公共交通機関で通学を体験するところからスタート。ショートホームルームを経て、情報や家庭科、数学、古典などの選択授業、体育および総合的な探究の時間を全員で受講した。

 うち選択授業となった4時間目は、中谷圭佑教諭が物理、橋本校長が世界史を担当した。

 中谷教諭は100㌘の分銅、木の棒、糸で石の重さを測定する実験を展開。各グループは、独自の実験方法で測定し、仮定値と実測値を比較するとともに、誤差が発生した要因も考察した。後半には端末を活用し、実験方法を共有。初めて端末の共有ノートを活用する教員もいるなど、生徒の立場でより良い授業の在り方を考える契機とした。

 19年ぶりに教壇に立った橋本校長は、フランスの市民革命期を話題に、民主主義や自由主義の概念を指導する際に見落としがちな視点を解説。大航海時代や産業革命、政治体制の変遷などを織り交ぜながら、世界史を取り巻く背景の本質に迫る授業の大切さを説いた。

 受講した教諭らは「教職員間の交流になって良い機会だった。他の先生の授業への働きかけが参考になった」「生徒への関わり方をあらためて考えるきっかけになった」「高校生の一日がハードだと実感できた」「生徒の立場で授業や学校環境を見ることで、問題点や改善点を把握することができた」など、今後のより良い教育活動の実践に向けて手応えを感じていた。

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道科学大高生徒体験DAY下
世界史の授業

(学校 2023-07-20付)

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