旭川高等支援 冬の残雪利用し 冷蔵・冷房装置を研究 もみ殻活用し断熱効果検証(学校 2023-07-21付)
残雪の大きさを測定
【旭川発】旭川高等支援学校(菅原靖博校長)は、総合的な探究の時間の一環として冬の残雪を利用した簡易冷蔵・冷房装置の研究に取り組んでいる。生徒たちはもみ殻を活用した断熱効果の検証に挑戦。4日には残った雪山の大きさを計測し効果的な活用を探った。
同校普通科3年生は前年度、授業でSDGsや地球温暖化、再生可能エネルギー等について学習する中で、北海道の雪の利活用事例を知った。
学校裏の石狩川河川敷には例年6月ごろ、学校敷地内でも5月ごろまで雪が残っており、工夫によっては暑さが厳しい7月ごろまで雪を残すことができるのではないかと考えた。
実習で関わりのある当麻町の農家からコメのもみ殻の提供を受け、理科の本間友明教諭の指導のもと①雪山②雪山を防風シートで覆う③雪山をもみ殻で覆う―の3パターンで効果を検証。雪山の大きさを計測するなどして観察を続けてきた。
雪山は縦4㍍、横4㍍、高さ3㍍程度。①は5月2日、②は6月9日まで残っていた。③は4日の時点で縦3㍍、横2・4㍍、高さ0・95㍍程度となった。7月ごろまで雪を残すという当初の目標を達成でき、生徒は「うれしい。頑張った甲斐があった」と喜んだ。
同時に残った雪の活用方法を検討。冷房装置のほか、クーラーボックスで飲み物を冷やしたり、塩を入れてアイスクリームを作ったりして活用する方針だ。
冷房装置は雪を入れたかごに換気扇を取り付け、冷気を拡散する仕組み。冷気が逃げないようにプラスチック段ボールを間に挟み、吸気口のサイズに合わせて穴を開けた。1台目は風量が少なく、冷却効果は近くの席に限定された。
これを受け、より風量の強い換気扇を使って2台目を製作。1台目よりもプラスチック段ボールの加工範囲が大きくなり「穴を開ける作業が大変だった」という。
今冬からは2年生に引き継ぎ、もみ殻の量や雪山のサイズ調整、外部との連携を行い、より効果的に雪を残す方法を検討する。来年度は、冬場に検証したことを残った雪で実践し、まとめを行うとしている。
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製作した冷房装置
(学校 2023-07-21付)
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