帯広南町中の特支学級進路学習 管内高校等4校を訪問 保護者の不安解消などで成果
(学校 2023-07-12付)

南町中・特別支援学級の進路学習

 【帯広発】帯広市立南町中学校(能戸貴英校長)は本年度から、特別支援学級に在籍する生徒の進路学習として管内高校への訪問を実施している。生徒と保護者が普通高校および高等養護学校4校を訪問し、職業科や通信制など、各校の特色に理解を深めるもの。6月下旬の実施時には、授業見学や質疑応答等によって保護者の不安解消につながり、企画・進行を務める小林嘉暢教諭は「教員にとっても進路指導を行う上で参考になった」と成果を実感している。

 高校訪問は、上士幌高校、士幌高校、中札内高等養護学校幕別分校、星槎国際高校の協力を得て実施している。各校の特色や特別な教育的支援を必要とする生徒への支援・配慮体制等に関わる情報を得て進路選択の一助とし、学習意欲等の向上を図ることが目的。保護者の参加を受け入れ、中学校卒業後の進路に対する保護者の不安や疑問の解消を目指している。

 小林教諭は前任の音更町立音更中学校で、平成29年度から同様の企画を3年間行ってきた。中学校の特別支援学級に通う生徒の進路先を分析し、普通科や職業科等の4種に訪問先を厳選。「団体だと参加しやすい」「授業の様子を実際に見ることができる」「高校に直接質問できる」など、生徒および保護者にとって利点が多く、赴任先の南町中でも企画した。

 6月中に特別支援学級の全生徒に進路に関わる事前学習を展開。生徒たちは訪問先の各校の制度などを学び、入試制度や進級に向けて身に付けたい力などを学んだ。

 6月26日には上士幌高、士幌高の2校を訪問した。

 上士幌高では、担当教員が習熟度別学習や進路に応じた科目選択などの特色を紹介した。1年選択科目「ベーシックスタディ」では、中学校領域の学び直しによって基礎学力の定着を図っていることを説明。進路指導に関しては進学講習や各種検定に係る費用を全額補助していることを説いた。

 このあと、校内見学によって授業の様子や各教室を巡回した。「進級するために必要な出席率」に関して問われると、「1授業35分以上の出席で、8割の出席日数が必要」と回答。「普通科では勉強に対する一定の努力が求められるが、習熟度別学習などによってサポートしたい」などと伝えた。

 あす13日には中札内高等養護幕別分校、星槎国際高を訪問する。

 小林教諭は「各校の最新の情報を知ることができ、教員にとっても進路指導を行う上で参考になる貴重な機会」と話した。

(学校 2023-07-12付)

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