６年度以降札教研事業の在り方懇話会　１１月下旬に方針決定　全３回で組織体制など協議

（札幌市 2023-06-29付）

　札幌市教委が実施する札幌市教育研究推進事業（札教研事業）の６年度以降の在り方に関する検討が本格化した。全３回の在り方に関する懇話会を通して組織体制と研究推進の在り方、１０年後の札教研事業の姿を見据えた改善の方向性について協議し、１１月下旬ごろに方針を固める予定。２７日、市内のＳＴＶ北２条ビルで懇話会の初会合を開き、これまでの成果や課題などについて話し合った。

　札教研事業は、昭和２５年に発足した「札幌市教育研究協議会」が前身。平成１９年度から現在の形となり、各校の校内研究を基盤として２６研究部による活発な研究活動を推進している。

　２５年度には、さっぽろっ子「学ぶ力」の育成プランで教員の指導力向上に向けた施策として位置付けられ「分かる・できる・楽しい授業」に関する研究推進の役割が求められている。

　一方、校内研究への還元、参加しやすい環境づくりなどが運営上の課題となっている。さらに、昨年８月には文部科学省が公立の小学校等の校長および教員としての資質の向上に関する指標の策定に関する指針を改正。校内研修推進の重要性が一層求められることとなった。

　これまでの札教研事業の成果と課題、昨今の教育情勢などを踏まえ、今後の在り方について検討するため有識者や小・中学校長ら１０人で構成する懇話会を設置した。

　主な検討事項としては「教職員一人ひとりの資質向上に資する事業となっているか」「校内研究の充実を図る事業となっているか」「研修体制は整備されているか」など、これまでの札教研事業の成果と課題を洗い出す。その上で、６年度以降の組織体制と研究推進の在り方、１０年後の札教研事業の姿を見据えた改善の方向性について協議していく。

　このほか、ワーキンググループを設置し各研究部長や学生からも意見を募る考え。

　懇話会は１１月下旬ごろまでに３回開催。９月ごろに開催予定の第２回で案を提示し、第３回で方針を固める予定だ。来年２月の運営委員会などの場で方針について各研究部に説明し、６年度から新たな学びに対応した研究をスタートさせる。

(札幌市 2023-06-29付)