札幌市など　児童虐待対応研修　緊急事案　冷静に対処　模擬家屋で強制立入演習

（札幌市 2023-07-12付）

児童虐待対応合同研修

　札幌市は６月２２日、道警、道と合同で児童虐待対応に関する研修に取り組んだ。市内の道警察学校にある模擬家屋で強制立入の演習を実施。怒号が飛び交う中、参加した職員は連携しながら冷静に対応に当たり、緊急事案への対応力向上を図った。

　研修は、児童虐待対応における関係機関との連携強化を目的に毎年実施しているもので、ことしで１０回目を迎える。道警や道立児童相談所、札幌市児童相談所、保健センターの関係者ら約５０人が参加し、緊急事案への対応力向上に向けて訓練などに取り組んだ。

　午前中は、児童相談所の業務や警察との連携などに関する講義を実施。午後からは、警察学校敷地内の模擬家屋を使用して強制立入（臨検・捜索）の模擬演習を行った。

　強制立入は、児童相談所の立入調査等を正当な理由なく拒否した場合などに裁判所の許可を得て行う、最終手段と言えるもの。参加者は３班に分かれて対応方法や役割分担などを検討し、演習に臨んだ。

　立入を拒否する父親・母親に対し、職員は冷静に説明や聞き取りを行った。この間に別の職員が児童の捜索に当たるなど、連携を図りながら対応に当たった。

　札幌市児童相談所の飯田敏之緊急対応担当部長は「子どもを虐待から守るには、児童相談所や警察だけでは限度があり、地域の見守りが大切。子どもの泣き声や登下校中の様子など、心配なことがあれば児童相談所に情報提供してほしい」と話している。

(札幌市 2023-07-12付)