札幌市　生物多様性ビジョン素案　学習パッケージ新たに開発　担い手育成へ教員研修など

（札幌市 2023-07-12付）

　札幌市環境局は、２０５０年を展望した生物多様性に関する取組の指針「改定　生物多様性さっぽろビジョン」の素案をまとめた。教育関係では、学校との連携や保全活動の担い手育成の機会が不足していることが課題として、新しい学習パッケージの開発や教員らを対象にした研修の実施などの施策例を挙げた。

　７日に開いた大学教授らでつくる環境審議会で示したもの。

　現行プランの策定から１０年が経過し、生物多様性を取り巻く状況の変化などを踏まえて改定することにした。２０３０年までの計画と進捗管理を示す。

　基本理念は現行プランのまま「北の生き物と人が輝くまち　さっぽろ」とした。基本方針に①様々な立場の人々と連携・協働して生物多様性の保全を進める②生物多様性への理解を深め、将来に伝えていく③消費都市であることを認識し、積極的に地球規模で生物多様性に配慮した取組を行う―の３点を掲げた。

　教育関係の課題として、学校と連携した普及啓発と、保全活動の担い手育成の機会が不足していることを指摘。解決に向けた取組目標に「学校教育と連携した取組を年５回以上実施する」を掲げた。

　具体的な施策は、総合的な学習の時間に活用できる学習パッケージを新たに開発することを挙げた。生物多様性をテーマに、学年ごとのレベルに合わせた内容を想定している。動植物の観察会や外来種防除体験の実施などの実施も見込んでいる。また、教員や環境教育を実施する施設職員を対象にした研修の実施も盛り込んだ。

　審議会では委員から「研修の対象を、幼稚園教諭や保育士まで広げた方が良い」などといった意見が上がった。

　プランは、１２月末ごろめどにパブリックコメントを募集し、来年３月の公表を目指す。

(札幌市 2023-07-12付)