“みち”を創出する授業　道教大附属札幌小が研究大会

（札幌市 2023-07-14付）

道教大附属札幌小研究大会

　道教育大学附属札幌小学校（寺田貴雄校長）は７日、同校で５年度教育研究大会を開催した。研究主題「学び舎の再こう（考・構・興）」のもと、１６授業を公開。３年生社会では、スーパーマーケットの集客の仕方や購買意欲を高める工夫について、自分事として捉え追究する授業を展開した。

　同校は、３年８月から「学び舎の再こう（考・構・興）」を主題に掲げ、これからの学校教育が担う役割を明らかにすべく研究を進めている。

　３年次目となる本年度は、現状に疑問を持ち、自分の学習や生活をより良くしようと考え続ける“問い続ける子”の育成を目指し、副主題を「“みち”を発創する学び」と設定。児童一人ひとりが「問いをつかみ、解決していこうとする過程」に焦点を当て、問いをつかむ姿を「未知を発見する」、つかんだ問いの解決に向けて自ら動き出す姿を「道を創出する」と定義した。

　その実現に向けて①問いの起点をつくる②他者との接点をつくり、自己内対話を促す③プロセスを振り返る場をつくる―の３つの手だてを大切にした授業づくりを進めている。

　公開した授業のうち、３年１組社会「お店で働く人～店長さんになろう」は樋渡剛志教諭が指導。

　この単元は、理科「種をまこう」、総合的な学習の時間「野菜を育てて販売しよう」と合科的に扱い、自分たちで野菜を育て保護者らに販売するという活動を設定。社会的事象を自分事として捉え、追究する姿を目指している。

　これまで、近隣のスーパーマーケットの協力を得て現地見学を２回行ったほか、保護者へのインタビューを通して消費者のニーズと販売者側の工夫を捉えている。

　本時では、それらを踏まえ消費者のニーズに応える販売の工夫について考え、表現する活動を位置付けた。

　樋渡教諭は導入で、これまでのスーパーマーケット見学について振り返り「店長さんは、オープンするまでにどんな準備をするかな」と問いかけた。

　「少しでも安く感じてもらえるよう値段を決めている」「商品の近くで動画を流して献立の参考にしてもらっている」「しっかり安全を確認している」など児童から上がった意見を、樋渡教諭は「集客の工夫」と「購買意欲を高める工夫」に分けて板書し、新たな考えに気付かせた。

　その上で、児童たちの販売活動に立ち返り「販売に向けてどんな準備をするか」をノートに記述させた。「自分だったらこうしたい」「どんな工夫をしたら良いだろうか」などと考えるなど“未知を発見する姿”を引き出した。

　ノートの記述をもとに、どのような店にしたいかグループで交流。「試食コーナーをつくろう」「楽しく買い物ができるように飾り付けしよう」など、より良い店にするために試行錯誤する“道を創出する姿”を引き出した。

(札幌市 2023-07-14付)