道町村教委連が市町村教育委員研　山﨑会長　学び続ける姿勢を　約６５０人　多様な性理解など研鑚

（関係団体 2023-07-24付）

あいさつに立つ山崎会長

　道町村教育委員会連合会（道町村教委連、会長・山﨑佳標津町教委教育長）は２１日、ホテルライフォート札幌で第５８回道市町村教育委員研修会を開いた。にじいろほっかいどうの真田陽氏が「教育現場における多様な性の理解」をテーマに講話したほか、フォーラムでは洞爺湖町教委の渋川賢一教育長と下川町教委の川島政吉教育長が事例発表。道内の教育長・教育委員ら約６５０人が参加し、教育行政の充実に向け研鑚を積んだ。

　開会式で山﨑会長は感染症の流行や教育人材の不足など多様な課題に直面する教育現場の実態を踏まえ「変化の激しい時代を生きる子どもたちのため、私たち教員に関わる大人が時代の行く末を的確に見通し、常に学び続ける姿勢を持つことが求められている」と述べ、研修で得た知見を各地域の実践に生かしてもらうよう期待した。

　来賓祝辞では道教委の青山夕香委員が登壇。教育行政推進の課題・施策として①いじめ防止対策の徹底など生徒指導対応②学校における働き方改革③休日の部活動の地域移行④教職員の服務規律の厳正な保持―の４点を説明した。部活動の地域移行に向けては、協議会の設置・検討などの対応を求め、教育局サポートチームによる支援、アドバイザー派遣や人材バンクの情報提供を一層進める考えを示した。

　功労者表彰、６年度文教施策に対する要望事項報告のあと、５年度決議を採択。新時代を見据えた教育の実現とともに、学力・体力の向上や働き方改革などの教育課題の解決に向けて、国、道教委と密接な連携のもとで教育行政を展開することを誓った。

　続いてにじいろほっかいどうの真田氏が講話。ＬＧＢＴの７割が中学生までに性別違和を自覚し、５８％がいじめ被害の経験に遭っているとするデータを示し、多様な性を言葉・行動・制度・物理的環境で見える化する必要性を強調。「全ての子どもたちのため、多様な性を前提とした学校づくりを」と訴えた。

　つぎに、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課の生方裕特別支援教育企画官が「特別支援教育の充実」と題して行政説明を行った。

　最後にフォーラムを実施。洞爺湖町教委の渋川教育長はジオパークや縄文遺跡などの世界遺産を活用し、ふるさとへの愛着や誇りを育む特色ある教育活動を紹介した。下川町教委の川島教育長は、目指す子ども像や教育環境を「地域教育ビジョン」で共有し、地域と学校の連携・協働体制を構築してクラブ活動、職場体験、インターンシップなどに取り組む町の実践を伝えた。

(関係団体 2023-07-24付)