校長会長インタビュー第11回 「信」で結ばれる学校づくり
(関係団体 2023-07-25付)

旭川市小学校長会長(小野敦司)
小野敦司会長

―会長就任に当たっての抱負

 旭川市小学校長会は、本年度12人の新会員を迎え、総勢52人で組織されている。創立以来61年にわたって築かれた業績を礎としながら、新しい時代の要請とアフターコロナを見据え、校長の職能向上と北海道・旭川市教育の振興に全力を尽くしていきたい。

 昨年の9月には、第65回道小学校長会教育研究旭川大会が、道小研究大会初の会同とオンラインによる「ハイブリッド」で行われ、コロナ禍の中にあっても歩みを止めない校長会の姿を広く発信できた。運営を通して培った協働の精神とICT活用技術の向上、そして分科会での学びは、大きな財産となった。この成果を今後の組織運営に生かしたい。

―旭川市の教育の特色

 本市においては、市独自の少人数学級編制、外国語活動サポーターの派遣や特別支援教育専門員・補助指導員の配置、GIGAスクールサポーターやICT運用・活用プロジェクトチームによる支援、そして、児童生徒主体のいじめ防止の取組をはじめ、いじめ問題への対応等、手厚い教育施策が進められている。

 また、旭川市教育研究会を基盤とした各教科の研究や、今日的な教育課題の解決に資する学校単位での実践研究が熱心に進められている。全国・全道規模の研究大会が開催されることも多く、教職員による主体的な取組は、本市教育の大きな特色と言える。

―旭川市の教育課題と対応

 生きる力を確実に育む教育の推進について。子どもたちが、変化が激しく予測が困難な時代において直面する問題に対応できるよう、学力・体力の向上はもとより、いじめの根絶や不登校への対応、危機管理の徹底について、着実に取り組む必要がある。

 特に、主体的・対話的で深い学びの実現や1人1台端末の効果的な活用については、校長会として市内各校の授業改善や校内研修の状況を把握し、好事例を共有化することを通して、情報収集と提供・交流の場の確保に努めている。

 さらに、市教育行政方針でも最優先の課題であるいじめ問題への対応については、教育委員会をはじめ関係機関と連携し、適切で迅速な対処に全力を傾注する。特に、施行された「市いじめ防止対策推進条例」に関する児童の学習や毎週行っている全いじめ事案の報告等の新たな対策に遺漏なく取り組みたい。

信頼と秩序に基づく学校運営について。特に、服務規律の徹底については、計画的な指導や研修、面談に加えて、日常的な声かけや対話に配意したい。また、本市働き方改革推進プランに基づき、教職員が生き生きと子どもと向き合うことができる環境づくりに向け、事例集の発行など会員相互の情報交流の機会確保に努めていく。

―アフターコロナへの対応

 5月8日に新型コロナウイルス感染症の位置付けが5類になったことを契機に、徐々にコロナの呪縛が解け始めていることを実感する。マスクを外している子どもの数が、高学年から低学年に向かって、グラデーションを見るように増えている。安心という面からの心の解放には、もう少し時間が必要かと思う。

 新たな局面を迎えたことは間違いない。感染が始まった当初は、右へ倣えで行っていた対策がそれぞれの学校に委ねられている。校長としての判断、学校の主体性が問われる今だからこそ、組織力を高める機会、と捉えたい。

 学校経営において、ここ一番の決断を要する時に、本会の両輪とも言える各部と各地区校長会が、支えとなり背中を押してくれる力となる組織でありたい。

―教育信条について

 「子どもがいるから教師でいられる。教職員がいるから校長でいられる。笑顔があるから頑張れる。いつも機嫌良く!」が座右の銘。

 子どもと教員と家庭と地域が「信」で結ばれる学校づくりを目指している。

旭川市小学校長会会長 小野敦司氏

昭和61年道教育大旭川分校卒。平成21年から旭川市立愛宕東小・富良野市立扇山小・旭川市立永山小教頭、旭川市立千代田小・末広北小校長、令和4年に現職の旭川市立永山南小校長。本年度から旭川市小学校長会会長を務めている。

 昭和38年8月6日生まれ、59歳、稚内市出身。

(関係団体 2023-07-25付)

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