道社教委員連絡協が第43回研修会 納得できる対応策を 活力ある地域づくりへ講話等(関係団体 2023-07-21付)
道社教委員連絡協第43回研修会
道社会教育委員連絡協議会(岩野真志会長)は13日から2日間、札幌市内のかでる2・7で第43回道市町村社会教育委員長等研修会を開催した=写真=。テーマは「安全・安心なまちづくりと社会教育委員のかかわり~活力ある地域づくりを目指して」。講話や対談、分科会でのグループワークを通して、持続可能な地域社会の実現に向けて知見を深めた。
同研修会は、各市町村の社会教育委員や委員長、行政の社会教育担当者らを対象に、優れた実践や事例を学び、社会教育の内容・方法等全般にわたり研鑚を深めるもの。研修で得た成果を、それぞれの地域において活動の糧とすることを目的としている。
初日は、全道112市町村から187人が出席した。開会式では、岩野会長があいさつ。過去最大規模での開催をたたえ、貴重な講演を通じて「一人ひとりが主役として存分に語り合ってほしい。地元にたくさんの収穫を持ち帰って」と研修会の成果に期待した。
道教委生涯学習推進局の村上由佳局長が来賓あいさつ。変化の激しい時代に触れ「自らの良さや価値と共に多様性を認め合いながら未来を切り開いていくことが求められる」と強調。道教委として地域創生の主体的な取組を支援していく考えを示し「地域の橋渡し役として、まちづくりや人材育成に貢献してほしい」と呼びかけた。
このあと、北海道大学名誉教授で石狩市社会教育委員の会議の木村純委員長が「対話を生み出し つながりをつくる 社会教育と社会教育委員の役割」をテーマに講演した。感染症拡大や気候変動、ロシアによるウクライナ侵攻など「安全・安心」を取り巻く脅威を挙げ、みんなが支え合う社会を創出する必要性や社会教育が果たすべき役割を説いた。
また「つながり」をつくった具体例として、平成25年に携わった「厚田の宝物を探すワークショップ」を紹介。市社教委員と住民46人が協働し、地域の魅力を付箋に書き出し、共有した取組で、地域や行政とのネットワークを構築したことを説明した。
札幌市白石区にある「トロワの畑こども食堂」が自粛期間中に子どもに弁当を支援した取組を紹介し「社会教育は人々がつながり続けるための活動」と訴えた。
社会の分断を防止し支え合う社会をつくるためには「一人ひとりが対話を通じて、双方が納得できる対応策を模索することが重要。社会教育委員こそ、対話やつながりの場を積極的に促す役割を担う」と締めくくった。
続いて「安全・安心なまちづくりと社会教育委員のかかわり」をテーマとして、木村委員長とNPO法人ezorockの水谷あゆみコーディネーター、厚真町社会教育委員の山路秀丘委員が対談。水谷氏は、石狩市浜益区の地域密着情報誌「集落の教科書」制作事業を紹介した。同法人の青年6人が地域住民へのインタビューを通して、浜益地区について発信するもの。山路委員は、平成30年に発生した北海道胆振東部地震後、豊丘地区の自治会長として地域に根差した復興に尽力した経験を通し、命の大切さや対話の重要性を強調した。
木村委員長は、2人の事例紹介を通じて「普段のつながりがいざというときの力になる」と総括。「地域全体で互いを理解しながら共生することがこれからのまちづくりに不可欠」と意見を述べた。
2日目は、分科会を開催。グループに分かれ、意見を交換した。
(関係団体 2023-07-21付)
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