校長会長インタビュー 第13回 “強さ”よりも“しなやかさ”を(関係団体 2023-07-27付)
南部和紀会長
―会長就任に当たっての抱負
当校長会は、それまで、小学校・中学校別々の組織であったが、昭和50年5月1日に2つの校長会が統合され、「上川管内校長会」として発足した。令和7年には、発足から50年を迎えることになる。歴史と伝統を受け継ぎ、校長の職能向上と管内教育の振興のため、上川教育局をはじめ各市町村教委のご指導をいただきながら、真摯に取り組んでいきたい。
新型コロナウイルス感染症が感染症法上、5類に分類され、新しい局面を迎えたが、私たちの責務は、子どもたちや教職員の生命を守り、安全・安心な学校づくりを進めていくことであり、校長の危機管理・学校経営の能力が試されていることに変わりはない。子どもたちの輝く笑顔のために、校長として明確なビジョンを示し、その職責を果たしていけるよう、校長会としても会員を支援していきたい。
管内校長会の合言葉「愛情と信頼」「研鑚と結束」を旗印に、本年度の重点「新しい社会の形成に向けて挑戦する子どもを育てる学校経営の推進」の達成を目指す。
―上川管内の教育の特色
先達が営々と築き上げてきた豊かな土壌を基盤として、教職員の熱い教育愛と献身的な指導に支えられた質の高い教育活動が行われ、スポーツ・文化活動でも、全道・全国で好成績を挙げる児童生徒の姿が見られる。管内は、南北約300㌔㍍にも及ぶ広い地域である。22の市町村が地域の特色を生かした子育て支援・学校教育に力を入れている。各市町村校長会も教育大綱や教育行政執行方針を理解し、市町村教委と緊密に連携し、教育課題の解決に向けて迅速に取り組んでいる。また、上教研、上へき複連、上特協などの教育団体が研修の場を提供し、管内教育の充実に寄与している。
―管内の教育課題と対応
校長のリーダーシップのもと、教職員が一丸となり、着実に成果を上げている学校が多い。しかし、現状に甘んじることなく、常に自校の教育活動を振り返り、学校力を高めるとともに、上川が本道教育をリードするという気概を持ち、学校経営に当たらなければならない。そして、コミュニティ・スクールなどの取組を通し、ふるさとに愛着や誇りを持ち、夢や希望の実現に向け自ら学び心豊かにたくましく生きる児童生徒を地域と一体となり育てていく必要がある。上川管内も少子高齢化が進行し将来に不安を抱える地域が多い。子どもたちの生き生きと活躍する姿が地域に明るさと希望を与え、学校が地域からの厚い信頼を得ることにつながる。
―アフターコロナへの対応
コロナ禍の3年間、各市町村校長会が地教委と連携し、各校の実情を考慮しながら適切に対応してきた。管内校長会としては、道が臨時休校を決めた令和2年2月末から、会員の不安や疑問を払拭できるように情報収集および情報提供に努めてきた。市町村の状況が異なることから、管内で何かを統一して取り組むということではないが、コロナ禍以降に開催してきた市町村会長研修会でも、授業時数確保や学校行事の持ち方、GIGAスクール構想の推進、学校における働き方改革等々、特徴的な事例を報告し合い、今後の学校経営の参考となる機会を設けてきた。
―教育信条
「僕の前に道はない 僕の後ろに道はできる」。高村光太郎『道程』より。
「“強さ”よりも“しなやかさ”を!」。
上川管内校長会会長 南部 和紀 氏
昭和61年道教育大旭川分校卒。稚内市立稚内港小を振り出しに、平成21年南富良野町立金山小教頭、23年富良野市立鳥沼小教頭、26年扇山小教頭、28年東川町立東川第三小校長、30年富良野市立扇山小校長、令和3年東川町立東川小校長。
昭和38年4月26日生まれ。60歳。旭川市出身。
(関係団体 2023-07-27付)
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