校長会長インタビュー 第15回 職場と教室に心理的安全性を(関係団体 2023-07-31付)
藤田淳会長
―会長就任に当たっての抱負
前年度に引き続き宗谷校長会会長の任に就いている。本年度の宗谷校長会の運営方針はつぎの3点である。
①校長としての使命を自覚し、自らの職能向上に努めると同時に、指導性を発揮し、教職員の研修活動の活性化を図り、保護者や地域の期待に応える学校経営の充実に努める。
②会員相互の理解と連携を深め、活動の活性化を図り、管内教育の充実・発展に努める。
③関係機関や団体との連携をさらに図りながら、教育諸課題の解決に当たるとともに、教育条件整備に努める。
この方針のもと、宗谷教育局をはじめ各市町村教育委員会のご指導をいただきながら、道小・中学校長会との連携を密にし、校長同士の交流や学び合いを大切にするべく、会としての力を発揮していきたい。
―管内教育の特色
本年度の宗谷管内の学校数は、小学校30校、中学校17校、併置校5校の52校である。このうち100人を超える在籍数があるのは約2割で、多くが小規模校、極小規模校となっている。
稚内市をはじめ、管内各地で地域ぐるみの子育て運動が長きにわたり続いている。その中で子育て・教育に携わる関係者が子どもの自立を目標に、相互に教育力を高め合ってきた。また、キャリア教育の観点での連携も図られ、幼保小中高大連携によって教育を紡ぐ取組が行われている地域もある。
一方で、多くの中堅教職員が管外に異動する実情があり、様々な面で影響を及ぼしていることが宗谷の大きな課題である。その一つとして、管理職の担い手不足がある。また、小規模校が多いが故に教員数の約6人に1人が管理職という実情もある。本年度は校長・教頭共に約3割が管外からの赴任である。
この状況を改善すべく、関係者との連携を図り、宗谷に根付く教職員の育成を図りながら、ミドルリーダーや管理職の養成に力を入れていかなくてはならない。
―管内の教育課題と対応
管内の喫緊の課題は学力保障である。現在、管内教育推進の重点である「資質・能力を確実に育成する学力保障~OVER70の実現・12年間継続する学力保障」の達成に向けて関係者の連携が図られている。その中で、宗谷管内学力保障プランの三つの柱「検証改善サイクルの確立」「授業改革の推進」「学習習慣の確立」について、教育局、市町村教委、学校のそれぞれが取り組むことと目標指標が明示され、管内を挙げての取組が推進されている。
―教育諸課題に対する校長会の取組・対応
教員不足は深刻な問題である。当管内でもいまだに定数が満たされず欠員のままの学校もある。その背景には様々な理由があると思うが、現状を打破するには学校という場が魅力のあるものであること、教職員にとって働きがいと働きやすさがあるという事実が必要である。職場の心理的安全性が確保され、教職員相互の主体的で深い学びが展開されていることがポイントだと考えている。その具現化に向けて会員相互の連携を図り取り組んでいく。
―教育心情
「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ」。
一人ひとりが認められ、心理的安全性を感じながら力が発揮できること。そのことが子どもの変容を生み出し、互いがやりがいを感じる学校づくりとなる。
宗谷校長会会長 藤田 淳 氏
昭和62年道教育大旭川分校卒。礼文町立香深中を振り出しに、平成25年利尻町立仙法志中校長などを経て、令和3年から猿払村立拓心中校長。
昭和38年8月12日生まれ、59歳。旭川市出身。
(関係団体 2023-07-31付)
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