校長会長インタビュー 第14回 “子どもは教師の鏡”意識し(関係団体 2023-07-28付)
石田正樹会長
―会長就任に当たっての抱負
「令和の日本型学校教育」の構築やGIGAスクール構想の具現化、教育DXなど教育の大きな転換期を迎えている中、歴史と伝統ある留萌管内小中学校長会を代表する立場となり、その職責を痛感している。設立50周年を6年度に迎えるに当たり、歴代の会長が築き上げてきた留萌教育の良さを引き継ぎつつも、コロナ禍で校長会組織や活動・業務の見直しを余儀なくされ、新たな時代にふさわしい校長会の在り方を求める動きを止めることなく、学び合い・高め合う校長会を目指していきたい。そのために会長として何ができるのか、自分に問いただしながら、最後まで責任を果たしたい。また、常に謙虚に会員校長の声を引き出し、受け止め、問いかけ、互いに研鑚しながら各学校の学校経営や留萌管内教育の充実・発展に寄与したい。
―管内教育の特色
前年度、中学校1校が統廃合され、最も学校数の少ない留萌管内だが各学校では熱心な教職員が一体となって教育活動を推進するとともに常に変化を求め、創意あふれる教育活動を展開しようとしている。とりわけ、各学校や各教育研究団体等による研究会がコロナ禍を乗り越えて継続的に開催されていること、道教委等の指定事業や教育実践論文の執筆に多くの学校が取り組んでいることなどが、特長として挙げられる。
―管内の教育課題と対応
1人1台端末が整備され、どの学校もICTを活用した授業改善の取組が進んでいるが、学校数が少ないものの、管内8市町村の端末のOSが3種類と統一されておらず、導入されているアプリなども様々である。学校の働き方改革という観点からも、更新時期には対応やその方向性について検討し具体化を図りたい。
また、全国学力・学習状況調査の結果から管内の児童生徒の学力低下や学校間格差が広がっている。「令和の日本型学校教育」の実現に向けた「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体化した「主体的・対話的で深い学び」の授業とはどうあるべきか、8月に開催予定の管内校長会教育研究協議会で協議・検討し、具体的方策を見いだしていきたい。
人材育成に関しては、前年度から組織的・計画的な取組となるよう「育成人材リスト」を作成している。人材の掘り起こしと育成・確保を目的に校長会として取り組んでおり、より一層留萌管内教育研究所や各教育研究団体とも連携を図っていきたい。
―アフターコロナへの対応
5類に引き下げられ、これまでのような制限がなくなった。学校行事や教育活動をコロナ禍前に戻す考えもあるが、コロナ禍の中で従来の当たり前を見直すきっかけとなったため、学校での取組や教育活動の目的を再検討しながら、働き方改革の観点も含めた再構築が必要である。
各学校の実態や課題はあるものの、情報共有を図りながら、校長がリーダーシップを発揮し、適切な判断を下せるよう、互いに知恵を出し合い謙虚に学び合い、高め合える校長会にしたい。そうした校長会の取組や対応が、管内教育の充実と発展に寄与するものと考えている。
―教育信条
「子どもは教師の鏡」。初任の頃、学級経営や生徒指導、教科指導で苦労していた時、先輩教員から子どもが落ち着かなかったり、話を聞かなかったり、先生の思いとは違う子どもの姿は、子どもに原因があるのではなく、先生の子どもたちへの関わり方に問題があるからだと教わった。管理職になってからも相手を変えることは難しいが、自分を変えることは可能であると考えている。しかしこれもまた難しく、日々自分との闘いである。
留萌管内小中学校長会会長 石田正樹 氏
昭和62年道教育大旭川分校卒。遠別町立遠別小、留萌市立東光小に勤務。平成17年留萌市立幌糠小ほか2校で教頭。25年校長採用となり、増毛町立阿分小ほか2校を経て令和3年から留萌市立留萌小校長。また、平成27年から留萌管内教育研究所長を3年兼務した。
昭和38年5月12日生まれ、60歳。増毛町出身。
(関係団体 2023-07-28付)
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