檜山教頭会 管理職確保へ人材育成 広報紙で魅力を発信 アンケート等積極的に情報共有(関係団体 2023-07-27付)
【函館発】管理職の大量退職に伴う教頭職の確保が課題となる中、檜山教頭会(桜庭一宏会長)は短期的人材育成に向けた取組を進めている。ミドルリーダーや若手教員を対象に実施している有効的な育成方法をアンケートで集約するとともに、昇任候補などの情報を積極的に共有。多忙なイメージが先行する教頭職について、本年度は年4回発行する広報紙を通じて業務内容や魅力を発信することを決めた。桜庭会長は「管内全体で一人の管理職を育てる意識を持つことが大切」と強調する。
管内では5~7年度の3年間で校長16人の退職が見込まれる。同会における会員数も4年度時点で3年目以下の教頭の割合が過半数を占めている。
管理職やベテラン教員の大量退職に伴う人材確保が急務となる中、同会は前年度から檜山教育局や檜山校長会と連携し、継続的・計画的な人材育成を開始した。
「短期的」「長期的」の大きく2点に分けられる人材育成について、長期的育成は北海道教員育成指標を参考に人事評価制度や個別の目標管理と組み合わせた取組を推進。OJT(学校内)やOffJT(学校外)、SD(自己啓発)などの手法が取られる短期的育成については、学校規模や自校に応じた効果的な取組が求められるため、アンケート調査を通じて実践を共有することとした。
前年度末に実施した調査では、一般教職員に向けた教頭業務の「見える化」を図る取組が多く寄せられた。各校では「教頭職が担う各種調査業務等を分掌部長やミドルリーダーに一部委託する」など業務の分散化を図ったり「早い段階から教務経験を任せる」など教育課程に触れたり、学校全体を俯瞰する立場を経験させる必要があると考えている。
学校外では、町や教育局、教育研究所などの研修への積極的な参加を進める環境づくりへの関与を促進していることが明らかに。校長会、教頭会主催の学校運営研修会への参加を呼びかけるなど、次世代を担うミドルリーダーに学校経営の視点に触れる研修へ参加してもらうよう「積極的な声かけが必要」との意見が多かった。
働き方改革と並行した人材育成が進む一方、学校間の業務格差や災害時の対応など教頭職の業務内容は依然として多岐にわたる。事務職員や養護教諭等の登用、手当の引き上げ、管理職候補の人材拡大、教員住宅への入居の選択自由化などを望む声も聞かれ、待遇面を考慮した制度改革も必要だ。
桜庭会長は教員一人ひとりの個性を理解し、能力を伸長させる教頭の立場を踏まえ「管内全体で一人の管理職を育てる意識を持ち、若手が資質を磨ける体制づくりに努めたい」と力を込める。
同会は調査を踏まえ、教頭職の実態ややりがいを可視化する活動の必要性をあらためて認識。これまで行政等を対象に年1回程度発行していた広報紙の内容を一部変更し、管内各校を対象に年4回の広報紙を通じて業務内容の周知に努めていく。
(関係団体 2023-07-27付)
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