ほっかいどう学第5回シンポジウム 子が愛着持つこと重要 高校教育と土木テーマに
(関係団体 2023-08-02付)

ほっかいどう学シンポジウム
ほっかいどう学シンポジウム

 ほっかいどう学推進フォーラム(新保元康理事長)は7月28日、札幌国際ビルで第5回シンポジウムを開催した。「教育と土木でつくる北海道の未来~高校生、動く、考える!」をテーマに、基調講演やパネルディスカッションを展開。教育現場とのさらなる連携深化に向けて、高校教育の現状への理解を深めた。

 建設産業や教育関係者ら約100人が出席した。

 開会式では、新保理事長があいさつ。教育を「わが国を支えるソフトなインフラの代表」と位置付け、シンポジウムを通して一層の連携深化を期待した。

 北海道開発局の柿崎恒美局長が来賓あいさつ。石狩川の開発の歴史などを例に「地形の成り立ちを知ることで、災害への対応を合理的に考えることにつながる」と強調。「子どもたちが自らが生活する北海道の歴史や産業を知り、愛着を持つことは重要」と述べ、ほっかいどう学を通した学校教育とのさらなる連携を期待した。

 基調講演では、前札幌北高校長で代々木ゼミナール教育総合研究所主幹研究員の林正憲氏が「高校教育と社会とほっかいどう学」をテーマに登壇した。

 林氏は、各高校の魅力化に向けた取組やGIGAスクール構想の進展、学習指導要領改訂による地理の必修化、家庭科における学習内容の多様化によって、高校生の学びが変容していることを強調。高校で身に付けさせたい力として①倫理力②変化を起こす力③学びをアップデートする力―の3点を挙げ、形や前例に捉われない「探究的な学習」の必要性を訴えた。

 また、小学校、中学校、高校は「互いに何をやっているのかが分かりにくい」とし、建設産業をはじめとした地域の協力を仰ぐ必要があると指摘。人口減少問題をはじめ課題が山積する今こそ「本音で話し、本質を追究するいい時代である」と呼びかけた。

 パネルディスカッションでは、林氏、道高校遠隔授業配信センター次長の佐藤豊記氏、帯広二建会代表幹事で萩原建設工業㈱副社長の萩原一宏氏、㈱砂子組専務の近藤里史氏がパネリストとして登壇。新保理事長をコーディネーターに「社会に開かれた高校生の学び~土木の面白さに興味津々」と題して意見交換した。

 近藤氏は、岩見沢農業高校との連携を例に「学校とコラボするには、生徒に伝えるわれわれもカリキュラムを用意しなくてはならない」と述べた。

 佐藤氏は、サロマ湖の流氷対策で設置されたアイスブームに関する授業を紹介し「ワクワクする授業をつくるために、積極的に学校現場に入ってきて」と呼びかけた。

(関係団体 2023-08-02付)

その他の記事( 関係団体)

道養護教員会 函館で研究大会 寄り添い続ける支援を

道養護教員研究大会  【函館発】道養護教員会(鈴木美和会長)は7月28日、函館市内の湯の川温泉花びしホテルで第53回研究大会を開催した。全道から約400人が参加。研究主題「21世紀を担う児童生徒の健やかな心身の...

(2023-08-04)  全て読む

校長会長インタビュー 第19回 学び続ける姿勢を大切に

釧路市小中学校校長会校長会長インタビュー ―会長就任に当たっての抱負  常に子どもの幸せを願い、時代の要請に応える課題に向き合い、長年にわたり先輩諸氏が引き継いでこられた歴史と伝統のある釧路市小中学校校長会の会長の任に当たり、身の...

(2023-08-04)  全て読む

校長会長インタビュー 第18回 “学び続ける校長”として

校長会長インタビュー中村会長 ―会長就任に当たっての抱負  十勝小・中校長会は、校長の職能向上と会員相互の連絡調整ならびに、十勝教育の振興を図ることを目的として活動している。本会には、昭和44年に設定された「豊かな人間...

(2023-08-03)  全て読む

電子教材作成に着手 ほっかいどう学推進フォーラム 総会開き事業計画決定

 認定NPO法人ほっかいどう学推進フォーラム(新保元康理事長)は7月28日、札幌国際ビルで5年度(第5期)通常総会を開き、次期学習指導要領の告示に向けて、小学校向けデジタル教材の作成に着手す...

(2023-08-02)  全て読む

「未来を創る」実践交流 旭川で北理研研究大会

北理研旭川大会会長あいさつ  【旭川発】道高校理科研究会(北理研、村田一平会長)は7月31日から3日間の日程で、旭川北高校を主会場に第66回研究大会を開催している。全道から理系科目の専門教諭を中心に132人が参加し、実...

(2023-08-02)  全て読む

校長会長インタビュー 第17回 一人ひとりの子を大切に

帯広市校長会伊賀会長 ―会長就任に当たっての抱負 帯広市校長会は、昭和8年の創立以来、全市公立学校の責任者で組織する会として、帯広ならではの特色ある学校経営をまい進してきた。ことしは、新型コロナウイルス感染症...

(2023-08-02)  全て読む

全日本盲学校教育研究道大会 子の可能性を引き出す 講演や分科会 160人研鑚

全日本盲学校教育研究道大会  第98回全日本盲学校教育研究大会・北海道大会が7月27日から2日間、札幌視覚支援学校(野戸谷睦校長)を会場に開かれた=写真=。研究主題「“新しい時代の創り手を育む”~持続可能な令和の日本型...

(2023-08-01)  全て読む

校長会長インタビュー 第16回 愛情と信頼に基づく活力ある学校経営

―就任に当たっての抱負  オホーツク管内校長会は、昭和47年の設立以来、52年間にわたり管内教育の充実・発展と心豊かでたくましい児童生徒の育成に鋭意努力を続けてきた。歴史と伝統ある本会の会...

(2023-08-01)  全て読む

校長会長インタビュー 第15回 職場と教室に心理的安全性を

宗谷校長会・藤田会長 ―会長就任に当たっての抱負  前年度に引き続き宗谷校長会会長の任に就いている。本年度の宗谷校長会の運営方針はつぎの3点である。  ①校長としての使命を自覚し、自らの職能向上に努めると同時...

(2023-07-31)  全て読む

A―bank北海道が新サービス プロアスリートが部活動を指導 8月7日説明会 9月提供開始

 A―bank北海道は、9月からアスリートによる指導メソッドをパッケージ化した「部活動地域移行に向けた指導パッケージサービス」の提供を開始する。対象は陸上競技、バレーボールなど7種目で、プロ...

(2023-07-28)  全て読む