校長会長インタビュー 第19回 学び続ける姿勢を大切に(関係団体 2023-08-04付)
佐々木豊会長
―会長就任に当たっての抱負
常に子どもの幸せを願い、時代の要請に応える課題に向き合い、長年にわたり先輩諸氏が引き継いでこられた歴史と伝統のある釧路市小中学校校長会の会長の任に当たり、身の引き締まる思いである。
釧路市小中学校校長会は発足以来、自らの職能向上に努めるとともに釧路市の教育振興・発展に寄与する活動を積み重ねてきた。本年度は11人の新会員を迎えスタートした。それぞれの校長が自身の経験を生かしながら職能向上に努めるとともに、抱える課題を組織として共有し、共に考え、共に行動することで「つながりを大切にする校長会」として、各校の安定した学校経営に向けて連携していきたい。
―市学校教育の特色
釧路市教委では、学び続ける意欲を持ち、多様化する課題に対し主体的に解決できる力を身に付けた次代を担う人材を育てていくために「第3期市教育推進基本計画」を策定した。そこには本年度から5年間の目指すべき姿や取り組むべき施策等が示されている。
各学校では、学校経営方針に位置付け、計画に基づいた取組を工夫し、達成目標の実現に向けて実践を開始している。
とりわけ、教育課題に対し中学校区単位での課題解決を目指す「小中ジョイントプロジェクト」は2年目を迎え、校長間の連携とリーダーシップによって小中一貫教育を志向した取組を展開している。
―市学校教育の課題と対応
本年度の教育行政方針においては「児童生徒の学力向上」「不登校児童生徒への対応」「特別支援教育の充実」の3つが重点課題として掲げられている。
「学力向上」については、授業改善を中軸に据え、主体的に学びに向かう姿勢を育てながら確かな学力の定着を図ること、「不登校への対応」については、各学校に不登校コーディネーターを配置し、組織的な取組を通して居場所や学習の保障を目指すこと、「特別支援教育」については、多様性への対応と専門性の向上を目指すことが大切にされなければならない。
校長会では、これらの課題解決に向けた具体的な取組を交流することや、研修を通して校長のマネジメント力の向上に推進していく。
―アフターコロナへの対応
コロナ禍においては、教育活動の中心に感染予防対策と感染者への対応、臨時休業への対応等々これまでにない緊急時の対応に対し、校長間の情報共有、市教委との連携が不可欠で、そのことに支えられながら各校長が学校経営をしてきた。
その中で、子どもたちにとって必要な教育活動をどのように実施していくかということについて校長同士の横の連携があった。アフターコロナとはいえ、当面は感染症の今後の状況を踏まえながら、常に感染対策を意識しながら教育活動を拡大していくことが必要であると考える。3年間のマスク生活による児童生徒の心のケアも配慮が必要である。
ただ、コロナ禍のもとでの教育活動は決して負の遺産のみではなく、そのことを通して工夫された教育活動のスリム化や、前倒しで導入されたダブレット端末による学習指導の広がりを正の遺産として生かすベく、校長会での情報共有や市教委との連携を大切にしながら取り組んでいきたい。
―教育信条
「学び続ける者にのみ、教える資格あり」。日々成長する子どもたちと共にある者として、学び続ける姿勢を失わないことが大切だと自分に言い聞かせている。
何よりも子どもから学ぶことは多く、教えることを通して教えられていたことで今の自分がある。時代の要請に合わせ学校教育が急激な勢いで変わっていく今こそ、学び続ける姿勢を忘れずに子どもたちと向き合いたいと考える。
釧路市小中学校校長会会長 佐々木豊氏
昭和61年道教育大釧路分校卒。音別町立二俣小中で教職をスタート。附属釧路小、新陽小教諭を経て、平成16年から別海町立中西別小、厚岸町立床潭小、釧路市立東雲小、桜が丘小、鳥取小で教頭を務める。26年標茶町教委指導室長、29年釧路市立朝陽小校長、31年美原小校長、令和3年に現職の釧路小校長。
昭和38年5月23日生まれ、60歳。釧路市出身。
(関係団体 2023-08-04付)
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